2013-01-01から1年間の記事一覧

不在の美女

『ローラ殺人事件』(Laura、1944年)をスター・チャンネルで再見。同作は光と影のコントラストとファム・ファタールの魅力、そして回想形式を含め、ヒロインの遅れての登場など巧みなシナリオでフィルム・ノワールの古典とされる。 オットー・プレミンジャー…

マッカーシーとアーレント

『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)の主人公を演じるケヴィン・マッカーシーはその後主演はないのですが、その少々癖のある風貌を憶えている映画ファンは多いでしょう。ヘンリー・フォンダ主演の『テキサスの五人の仲間』(1965)というポーカーで…

盗まれた街

ジャック・フィニイの『盗まれた街』(1955年)を原作とする映画『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(Invasion of the Body Snatchers , 1956年)を初めてみました。監督のドン・シーゲルは好きなのですが、エイリアン物というジャンルは好きでないので遠ざ…

1960年代のテレビ西部劇

フィルム・ノワールの代表作『深夜の告白』(ビリー・ワイルダー監督)は、ロサンゼルスの保険外交員ウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)が顧客の自宅で美貌の後妻フィリス(バーバラ・スタンウィック)に出逢い、不倫の関係に陥り、保険金目的の夫殺…

フィルム・ノワールのグロリア・グレアム

グロリア・グレアム(Gloria Grahame)はゴージャズな美人と言うよりは、キュートなタイプでしょうか。若い時のアネット・ベニングのように小股の切れ上がった感じです。『復讐は俺に任せろ』での、飲み物を持って移動する動きにリズム感があって小気味いい…

ジョン・マクローリンを聞き続けて

イギリス生まれのジョン・マクローリン(1941)は1969年にアメリカに渡り、トニー・ウィリアムスのライフタイムに参加。マイルス・デイヴィスの『イン・ア・サイレント・ウェイ』(In A Silent Way)、『ビッチェズ・ブリュー』(Bitches Brew)、『ジャック・ジ…

物語はジャンルを横断する

12月14日(土)に行われたシンポジウムの報告を司会として書いたのですが、支部ホームページでのアップは来月なので、ここに。 今回のシンポジウムは準備のスタートが遅れましたが、結果的には支部会員、特に道外の支部会員で映画に詳しい方の参加もあり、い…

「アイダ・ルピノ」補遺

実は初めてこの曲を聞いたのは、ポール・ブレイの”Open to Love”よりもスティーブ・キューン初リーダー・アルバムの”Three Waves”だったような気がする。ベースがスティーブ・スワロウ、ドラムがピート・ラロカ。これはそのままアート・ファーマー(フリュー…

「アイダ・ルピノ」という曲

ポール・ブレイ(1932年生まれ)という少々前衛的なジャズ・ピアニストのソロ・ピアノの名盤『オープン・トゥ・ラブ 』(1972年)の2曲目に「アイダ・ルピノ」という曲がある。この曲は、ポール・ブレイの1965年のアルバム『クローサー』で初録音し、作曲し…

美女再発見

ウィリアム・ワイラー監督の『探偵物語』(1951)をスター・チャンネルで見る。時々、部分的に見ていました。近今回は主演カーク・ダグラス(35歳)の妻メアリーを演じるエレノア・パーカー(31歳)の美貌に圧倒されました。美人女優ウオッチャーとしては、…

無表情というテキスト

『過去を逃れて』(Out of the Past, 1947)を再見しました。前から持っているDVDで、見ているうちに前にも見たことが思い出されてきました。でもなかなかいいフィルム・ノワールでしたね。監督はジャック・ターナー。フランス系の人で『キャット・ピープル』…

マッシュアップって?

マッシュアップ(mashup)とは2つの曲の片方からボーカル・トラックを、もう片方からは伴奏トラックを取り出してミックスし、それを別のというかオリジナルの曲のようにする音楽の手法です。リミックスと似ているようだけれど、マッシュアップは別々の曲の部分…

補助金申請と大学

僕はいつもブログで何を書いていいか、ある程度気にしながら?書いていますが、扱うテーマは「研究」・「教育」・「大学と言う機関」+「小説」・「映画」・「音楽」・「食べ物」・+「社会全般」だろうか。 で特に気を使うのは「大学と言う機関」についての…

バッハ学

今回のおススメはだいぶ前に買ったけど、今もiphoneで愛聴しているBachology 。「バッハ学」なのですが、邦題は『バッハ・イノヴェイション』で、「バッハのインベンション」をもじったものです。 80年代から活躍しているミュージシャン、レーベル・オーナー…

アクティブ・ラーニング

自宅のデスク・トップのネット接続不良が解決したのに、1週間もブログ更新を怠ってしまった。少しマンネリ(書き手にとって)、やはり学期末・年末で忙しいのか。自分でもよく分かりません。 さて昨日は2部「北米文化論」。これは学生に発表をしてもらう授…

解決

自宅のデスクトップがネットにつながりました。原因は本当に簡単で、料金の未払いでした。OCNの支払いは銀行の口座引き落としではなく、請求書が来てコンビニで支払っていましたが、何故か9月分の未払いの通知が来て、契約解除になると脅されました。たぶん…

誰が物語を語るか?

文学と映画の関係を考えているけれど、フィルム・ノワールの特徴と言われている「ボイス・オーバー」は映画の語りの特徴でもある。フィルム・ノワールの代表作『深夜の告白』(ビリー・ワイルダー監督、1944)でも冒頭に深夜のオフィスでディクタフォン(口…

つながった?!

家のデスクトップがネットに繋がらなくなったので、ブログ更新がとだえていました。書くことがない訳ではないのですが、それなりにいろいりおと忙しくて。 1週間前の月曜日は、教務委員会がまぁ波乱なく終わり、「すし屋の根がみ」で昼食。ここは小さなお店…

人文学と「知の見取り図」

10日前から自宅のデスクトップがネットにつながらなくなった。それでも修理を急いでいないのは、ipadでActive Mailが読めるからです。しかし週末に書きだめするブログの更新が減っているので、早目に直したい。自宅でする授業の準備もけっこうネットを使うし…

『殺人者』と『殺人者たち』

ロバート・シオドマクの『殺人者』(1946)と、ドン・シーゲルの『殺人者たち』(1964)を再見。ヘミングウェイの原作”The Killers”は7頁の短編。シオドマクの『殺人者』の方はフィルム・ノワール的なモノクロの光と影のコントラストが際立つものだった。シ…

学部にコミットする

11月の中旬に所属する人文学部の人部学会発足に合わせてシンポジウムが開かれ、その発題の準備をこの連休もしています。やり方が下手で、レジュメを書き終えた後に、パワーーポイントを作ればよかったのに、並行して始めたものだから、ワードでの書き換えを…

すわ、一小事

木曜日のお酒が少し残る状態で、金曜日の午後は研究室で4・5・7時間目の3年ゼミ・4年ゼミ・2部北米文化論に備えていた。7時間目とは2部(夜間)の2時間目で、1部の最後の5時間目に揃えていう時に時々使います。 で、二日酔いのせいか、目がかゆいので手でこ…

『マルタの鷹』再読

12月の支部大会で『「マルタの鷹」講義』を書いた東大の諏訪部さんに特別講演の講師として来て頂くので、今『講義』の方と、『マルタの鷹』を並行して読んでいます。本当は順序が逆で、『講義』を読んで講師にお呼びするのが順当だろうが、そこはそれ、推理…

お気に入りのサンドイッチ

これは自家製のサンドイッチです。しかも何か工夫をすると言うのではなくて、ただ辛子とバターをたっぷりというのが、コンビニや他の市販のものとはわずかに違うという事でしょうか。とは言いながら食パンはジョアン(ドンク経営)の8枚切りのサンドイッチ用…

オムニバス授業

2年生向けの「文化研究入門」の担当部分が終わった。昨年は半期15回の内4回やったのですが、今年から日本文化学科と同様1教員1回という風になりました。それで「ポップ・カルチャーのアメリカ」と題して、ポピュラー・カルチャーの定義や歴史、その種類な…

北海道とカナダ

昨年アメリカ文学会の支部大会で平石先生が北海道とアメリカ文学の親和性について指摘していた。移民の国・地方で伝統から自由であるという。また来年の支部大会の準備として、カナダ文学を取り上げようとしている。アメリカを今では辺境とは言わないけれど…

キャリー・バッグの問題

1泊2日の旅行ではずいぶんと前に買ったボストン・バッグを使っていたけれど、2泊3日の場合はバッグがパンパンになるし、手に持つのも肩にかけるのも少ししんどくなってきた。それでキャリー・バッグ購入を検討し、あちこち見て回った。三越でちょっとお洒落…

学会の収穫

東京での学会3日目。1日目の金曜日は午後代議員会と懇親会。昨日は午前中銀座の三越でセーターを買い、品川のオイスター・バーで牡蠣を6個。お気に入りのバースのペールエールの生があったので、それを一杯。クラムチャウダーはイマイチだった。以前は神田の…

柔軟性

先週出来上がった紀要を論文執筆に情報提供してくれた友人に送るべく土曜日の朝、近所の郵便局に行くと閉まっていました。そうかこういうところは土曜日休みなんですね。それで夕方デパートの郵便カウンターで郵送手続きをしました。これで大丈夫と思ったら…

収穫

大学時代の友人のW君が家庭菜園の収穫を送ってくれました。40年近く務め上げた銀行を定年でやめて、札幌の実家に戻り、お父さんと奥さんと暮らしています。周りを見わたしても、定年になってすっぱりやめた人は少ないかも知れない。ほぼみんな、嘱託やら再雇…