2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

伊坂ワールドとヒット・アンド・ラン

伊坂幸太郎の『ゴールデン・スランバー』は面白く読みましたが、その後は他に読む本もなくなって(失礼)ずっと積んであった『オーデュボンの祈り』読み始めたら、けっこうおもしろかった。ただその感想をまとめずらくて、伊坂作品を文庫を17冊読んでしまい…

最後に聴く曲

『Pen』というアート・ファッション・食べ物などカルチャー全般を扱ったお洒落な月刊誌があります。読者層は30、40代のエリート男性中心と書かれていますが、この点はちょっといやらしい?女性の購読者も多いらしい。その3月上旬号(2/16 発売)の特集が「〈あ…

シェークスピアと映画

7月の公開講座でシェークスピアについて話す予定です。大学の公開講座なのですが、人文学部の当番で責任者が英文の先輩なので、このような文学〜映画というテーマになりました。日本文化学科の映像論が専門の講師は『蜘蛛の巣城』をやるそうです。僕は英米の…

Fragileの変奏

Fragileという曲をライブで他のミュージシャンと共演するエスビョルン・スヴェンソンのピアノが鳥肌ものです。毎日音楽を聴き続けていますが、こんな事は1年に一遍もない。さて曲はスティングの1987年 Nothing Like the Sunの中の1曲です。アルバム・タイト…

作家、音楽、言葉

『オーデュボンの祈り』を読み終わったのですが、面白いのだけど感想を書きずらい。僕がミステリーを好み、SFやファンタジーを遠ざけてきた理由は、ユートピアやディストピアなどの哲学的・倫理的な世界観、シュールな設定などが苦手だからです。新潮ミステ…

声の力、懐かしい響き

帰宅途中、家に近くなった時にシャッフルしてかかった曲が「バマコ」。西アフリカのセネガルのユッスン・ン・ドール(1959年生まれ)の歌でした。彼は歴史を叙事詩として歌うグリオと言う世襲の歌い手の継承者。1980年代ロックが世界の様々な音楽やリズムを…

長崎の思い出

8年前の印象的な長崎の旅の事を思い出したのは、円山に長崎ちゃんぽんの店ができたから行ってみようと家人が言ったのがきっかけでした。8年前に岳父について長崎に4泊ほどしました。かみさんのお父さんが長崎で開かれる薬学会に行くので、随行と言うか80才に…

450万円の本

前項とのつながりですが、ペリー来航時には日本政府にも寄贈されたオーデュボンの『アメリカの鳥』の復刻版について。時々カタログがメールボックスに入っている洋書古書の輸入や希少本の復刻もしている雄松堂書店。その書店がオリジナルを忠実に再現した「…

オーデュボンとマルコムX

いま伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』を読んでいますが、とりあえずジョン・オーデュボンについて。 ニューヨークのマンハッタン北部ワシントンハイツ地区のブロードウェイと165丁目の角にオーデュボン・ボールルームと言うダンスホール兼催物会場があり…

ジョン・ボナーというピアニスト

最近そして今も聞いているビリー・ハーパーの『ブラック・セイント』(1975)のピアノを弾いているジョー・ボナー(1948年生まれ)が昨年11月21日亡くなっている事がさっき分かった。享年64才。1970年代にアート・ブレーキ―、ロイ・へインズ、フレディ―・ハ…

他者承認と「空気を読む」

実は「働くこと」における自己/他者承認の割合が、他者承認の方に傾いているのではと思っていました。つまり「働くこと」においては自分で評価する部分と他者からも評価されたい部分とある訳ですが、その他者からの承認を強く求めるという事が、「空気を読…

メンフィスとブルース

メンフィスで行われている錦織選手の準決勝をみました。この準決勝では勝って、決勝に進みましたがその結果はどうなったか。会場のテネシー州メンフィスは、カントリー・ミュージックの本場として知られる州都ナッシュビルより大きい、州最大の都市でミシシ…

クーパーの執筆の動機と評価

ジェームズ・フェニモア・クーパーは19世紀アメリカの最も人気のある作家で、その作品では、特にThe Pioneers とThe Pilotが有名。でもなぜ富裕な地主のクーパーが30歳から61才で亡くなるまでに、30数編の小説と旅行記や社会評論などの膨大な著作を残したか…

お見舞いとジンギスカン

土曜日夕刻、北大病院に入院中の教養部クラス担任のY先生を4名で見舞いに行きました。何回も書いていますが、北大の教養部では英語の他に第2外国語が必修でそのクラスが高校のHRのような連絡・交流の役割をして教養部の先生が担任になってくれる。でも我々の…

無駄遣い

昨日知人が来てくれて、我が家の通信費の現状と改善について5時間?ほどレクチャーしてくれた。我が家は僕と家内がそれぞれiPhone、そして僕がiPad miniを使用しています。この3機の使用量が2万円にもなるので、クレジットの明細をみて驚いてsoftbankのカウ…

仕事と家庭

アメリカの警官の副業について書いた時に思った点ですが、日本における仕事に対する意識と言うのは決して普遍的ではないし、もちろんいい点もあるけれど仕事=人生という圧縮/短絡した考えで、そこから家庭が抜けているのが問題だと思います。でもその日本…

レイシャル・プロファイリング

racial profilingとは「人種差別に基づく取り締まりや逮捕」の事。特に白人警察官による黒人男性への暴力的な取り締まりについては、公民権運動時代のデモの映像を見ると、”Stop Police Brutality” というプラカードがありましたね。古くはジャズ・ミュージ…

ヌーヴォー・スイング

2001年ニューヨーク滞在中に、マンハッタンで夏のFree Jazz Lunchに時々行きました。「フリージャズ」をランチタイムに演奏するというのではなく、「無料のジャズ」を聞く事ができる時期限定の催しでした。ナット・キング・コールの弟のフレディ・コール(ピ…

クーパーと開拓小説

いわゆる「額縁小説」ではないけれど、19世紀の小説は本文の前に「前書」やら「序文」が多くて説明的です。読み手が小説=虚構と言うジャンルに慣れていないのか、書き手の能書きが多いのか、今ならそれ自体もテクストの一部として解釈の対象となりますが。 …

物語の額縁

最近かみさんにNHKの『100分の名著』を付き合わされています。その中の『フランケンシュタイン』についての番組を見て、改めて考えてみましたが、この作品は「枠物語」というか「額縁小説」である事はずいぶん有名でもありますよね。「額縁小説」というのは…

学生の発表

最終講義の同日の午前中は2回目の卒業研究コンテストの受賞式と発表でした。最優秀賞はなし。優秀賞3名の内2名が20分ほどの発表をしました。実は最優秀賞があった去年はきちんと聞きませんでした。今回は審査委員でもあるので真面目に聞きました。二人ともパ…

雪まつりと同僚

在宅の午後、何となくテレビを付けたら雪まつり初日夜の映像に大学の同僚が出てきてびっくりしました。それもほんの一瞬ではなく5分ほど映っていました。大通り近くに住む札幌の43歳の男性、九州出身の大学教員というキャプション。坊主頭で体格のいい人です…

最終講義の裏方

毎年この時期に最終講義の事について書いています。2009〜14年の5回の内3回書いていました。今回は準備のポスターや横断幕の印刷について。事務室に大判印刷用のプリンターが置いてありますが、それがうまく使えなくて往生しました。以前支部大会の印刷では…

キャプラとアメリカの幻想

先ごろ取り上げた『LIFE!』のベン・スティラーとほぼ同い年のアダム・サンドラーが主演する『Mr.ディーズ』(Mr. Deeds、2002)の方は、ゲーリー・クーパー主演の『オペラハット』(Mr. Deeds Goes to Town, 1936)のリメイクです。 で今回は『オペラハット…

ホームズの英語から

『ブレーキング・バッド』を見終えて、今度は個性派+二枚目俳優ベネディクト・カンバーチッチ演じるシャーロック・ホームズの現代版『シャーロック』です。崩れた?アメリカ英語を聞き続けた後のせいか、イギリス英語が聞きやすい。クリントン大統領の時代…

時代を反映したリメイク

昨日BSでみた『LIFE!』は、ベン・スティラーが2013年に監督・主演した作品ですが、これは有名なダニー・ケイ主演の『虹を掴む男』(The Secret Life of Walter Mitty、1947)のリメイクで、原作はユーモア作家ジェームズ・サーバー。 原作は僕の持っている『…

ジャズ喫茶の思い出

学生時代は映画館からジャズ喫茶へと暗闇のはしごを続けていました。1970年代はジャズ喫茶がたくさんあって、老舗は東映パレス(これもなくなりました)地下にあったJamaica、少しニュージャズ的なact、聞きやすいジャズが中心のA&M、Bossaなど。北18条にはG…

剽窃の季節

いくつかの科目で試験ではなくレポートで評価していますが、3科目で合計40数本のレポートを読みました。前にも書いたけれど、最近クラクラしなくなりました。けっこうネット上の情報を使っている(コピー&ペースト)せいなのかも知れません。学生が自分で書…