2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ドリトル先生と戦争

ケストナーについては『飛ぶ教室』をはじめとして時々書いていますが、小学校高学年から中学にかけて『ドリトル先生』シリーズも愛読していました。動物語を話す医師という設定、イギリスのポンドやシリング、ペニーと言った初めて耳にする貨幣単位、出入り…

レナードとヴィジランティズム

『マジェスティック』に主演したブロンソンからの連想ではありませんが、レナードの作品に通底する雰囲気に、『狼よさらば』(Death Wish、1974))で問題となったアメリカの自警主義(Vigilantism)があるような気がします。『マジェスティック』も最後は素…

エルモア・レナードと曖昧な主人公

エルモア・レナードという、昨年87才で亡くなった作家の全体的なイメージが掴みづらくて評言できなかった。物凄く巨大な作家の掴みづらさではなく、多彩な作家ならでは批評の難しさと言えるか。1974年に見た『マジェスティック』の原作がレナードだった事は…

雪だるま

年末の日曜日、夕方近くの生協へ買い物に。途中3体の雪だるまに遭遇。つい写真を撮ってしまいました。でも「3体」でいいのだろうか。「3個」の方が微笑ましいと言うか、適切かも知れない。

ニック・キャラウエーを演じる

僕にとって区別がつかなかった俳優が何人かいます。最近ではポール・ラッド(45歳)とトビー・マクガイア(39歳)。実はこの二人はジョン・アーヴィング原作の『サイダーハウス・ルール』(The Cider House Rules、1999)で共演しています。トビーの方がホー…

ゾーイーかズーイ(−)か?

ずっと 『フラニーとゾーイー』だと思い込んでいた。1961年のJ・D・サリンジャーが発表したFranny and Zooeyは、1955年のFrannyと1957年のZooeyの連作小説を1つにまとめたものである事は周知の事です。僕は新潮文庫の野崎孝訳の『フラニーとゾーイー』(1976…

レゲエとガーヴェイ

自分の役割の一つとして、ポップな文化とアカデミックな考察をつなぐ事と勝手に考えています。ネット上で音楽や映画についての書き込みや情報はあふれていますが、そこに歴史的な知識や文化論的な考察はあまりありません。感想的なものが多い。そこで僕が少…

訃報

中学校時代の担任のYG先生が亡くなったという連絡がきました。スポーツや合唱など趣味が多く、つい最近まで元気な先生でした。70代前半まで、市営のテニス・コートでよく一緒にテニスをしました。ネット・プレイを得意とする積極的なスタイルで。5年に一回開…

ウェスタン・ノワール

パトリック・デウィットの『シスターズ・ブラザーズ』という文庫本を見つけて読みました。面白いウェスタン・ノベルです。関連してあまり知られていない西部小説の方を少し紹介してから、当の作品を書評しようと思います。 このジャンルには、アメリカには二…

初転び

昨日は前日降った雨が凍って道がつるつるです。かなり用心して一歩一歩歩いていたのですが、やはり滑りました。まぁ大事には至りませんが、その後の買い物も恐る恐る。こんなつるつるは生まれて初めてです。本当に歩くのが怖い。昔は雪が降ったら、もう雨が…

ありがたい

土曜日は午後、アメリカ文学会の研究談話会。1時間聞いて、途中で失礼して2部の授業。少しだけ早めに終えて、近くの喫茶店での懇親会・忘年会に駆けつける。発表の司会に横浜からわざわざ来てくれたM先生に感謝。関東出身の研究者ですが、しばらく札幌の大学…

続ける

12月6日(土)から19日(金)まで、14日間連続更新をしています。あまり意味はないけれど、持続は力なり(かな?)。書く事がある限り、そしてそれがある程度は読み手にも意味がありそうな限り、書き続けようと。学期末・年末で少し先が見えて、ほっとしてい…

思いがけなく

朝の通勤時にiTunesで思いがけなくレゲエがかかった。シャッフルにしてあると曲がランダムにかかるんです。レゲエは夏の定番で、冬に聞かないという事はないけれど、急にかかると少しびっくりしてでも面白い。敢えて選ばないけれど、聞くといいという音楽は…

『ノワール文学講義』書評

『アメリカ学会会報』(No.186、2014年11月25日)に書いた書評が同学会のHPでなかなかアップデートされないのでここに少し省略して掲載します。 ハードボイルド小説の代表作を精密に読解した『「マルタの鷹」講義』で注目浴びた諏訪部浩一氏による本書は、「…

削る快感?!

所属する人文学部の昨年の第1回人文学会シンポジウムの記録について、だいぶ遅れましたが次回『人文論集』に掲載される事になりました。僕もパネリストの一人として、文学・文化研究と人文学について自分の研究歴を基に話をしました。その原稿は提出したので…

Little Wing 雑感

前述のようにギル・エバンスのジミ・ヘンドリックスへの音楽への傾倒は、1974年 Plays the Music of Jimi Hendrix、そして1975年There Comes a Time、1978年 Little Wing、さらには76才で亡くなる前年の1987年にアレンジを担当したスティングの『ナッシング…

ベトナム帰還兵と映画

1973年にベトナム戦争が終わって、少しずつベトナム戦争や帰還兵を主人公にする映画が登場して来ます。しかし 『ディア・ハンター』(1978年)、『地獄の黙示録』(1979年)、『プラトーン』(1986年)、『7月4日に生まれて』(1989年)のようなベトナム戦争…

『目撃者』を観る

最近WOWOWで時々『目撃者』を放映しています。たぶん最初にウィリアム・ハートとシガニー・ウィーヴァーを見たのはこの『目撃者』(Eyewitness 、1981)だろうか。似た時期のハリソン・フォードの『刑事ジョン・ブック 目撃者』(Witness、1985年)と間違われ…

老人力

大学を数年前に定年退職されたT先生に久しぶりにお会いした。時々メールの英訳をしているので、そのお礼に一献どうですかという誘いを受け、「小料理 しま田」に行って、美味しい刺身やお酒を飲みながら3時間ほどお話をしました。T先生は退職した年に1年間の…

音の洪水

マイルス・デイヴィスがジミ・ヘンドリックスとの共演を考えていたが、亡くなったので代わりにジョン・マクローリンを起用したのがJack Johnsonだったのは有名な話で、僕はマクローリンの楽歴をそれなりに追ってきた事は前にも書きました。そのジミ・ヘンド…

エレピと1970年代

1972年に33歳で銃で撃たれた天才トランペッター、リー・モーガン最後のリーダー・セッションですが、ビリー・ハーパーの曲を冒頭ともう1曲演奏しています。ピアノはハロルド・メイバーン、フルートはボビー・ハンフリー。ブラック・パワーの影響を感じさせる…

学問は楽しい

大学の受験ガイド冊子に「学問は楽しい」というシリーズがあって、執筆を頼まれました。各学部学科で一人ずつ選ばれて学問って楽しいんだと言う事を受験生向けの視点で書きます。実はちょうど10年前の2005年に一般教育の英語担当教員として「学問は楽しい」…

メタ好き

鮨の名店を訪問する早川光さんの番組を見ています。「次郎よこはま店」を1年かけて月ごとのネタの移り変わりを追った『江戸前ずしの悦楽』(晶文社出版、1999)の著者で、映画監督、漫画原作者です。数寄屋橋の次郎の出身の水谷さんが独立して始めた横浜関内…

初めてのMP3

欲しいアルバムのCD版がなかったり、あっても中古でとても高価なので、また初めてのものに取り組みました。ビリー・ハーパー(黒人サックス奏者、73才)の1970年代のヨーロッパのツアー・ライブが中古CDでは4千円から8千円します。それがアマゾンでMP3による…

本の顔

本の装丁は大事だ。中身が良くても(中身が一番重要だが)、本の表紙が良くないと読む気が削がれる。見た目が大事なのだ。中身も大事だけど。少しくどいかな。さてロバート・パーカーのスペンサー・シリーズやフリーマントルのマフィン・シリーズを長く手掛…

推進力

通勤の必須アイテムになったiphoneのituneで聞くお気に入りの音楽について時々書いていますが、今度はビリー・ハーパー。改めてアマゾンのCDレビューなどみてみると、強直、ストレートな演奏がいいと書かれています。僕もポスト・コルトレーンの黒人テナー代…

チャーリー・マフィン、再登場

ブライアン・フリーマントルのチャーリー・マフィン・シリーズ16作目、Red Star (第1作Rising, 第2作Eclipse)三部作の最後Red Star Falling(2013)の翻訳『魂をなくした男』(上下巻、新潮文庫)がやっと出ました。このブログでもふれていたように原作はKin…

少人数の是非

土曜日は、午後研究会、夜1時間目「北米文化論」、その後懇親会に遅れて参加しました。そして日曜日は全学部で特別入試(公募・指定校推薦、社会人)。その後入試制度の委員会もあり、月曜日を勝手に代休にしました。雨の休日は休まります。飲みすぎますが。…