2009-01-01から1年間の記事一覧

初めての門松

29日は北18条の「塩野谷」でアメ文のコアな仲間3人と飲み会。いろいろな話題で談論風発。刺身(しめ鯖、鯛、ホヤなど)、牡蠣のフライ、北海道の日本酒、芋焼酎など。 30日は大学教養部時代の仲間7人とホテルオークラ地下の「桃下林」で。ワインに詳しい仲間…

懐かしいフィラデルフィア

研究仲間のN氏のブログを見ていたら「フィラデルフィア到着」とある。昨年と同様MLAの大会に参加したみたい。羨ましい。 フィラデルフィアは1996年9月から97年4月までペンシルヴァニア大学の文学部の客員研究員として2学期間いました。当地で買ったリト…

立っている木

今度は吉原幸子です。この室生犀星詩人賞を受賞した1965年の『幼年連祷』に入っている「無題」が時々心に浮かんできます。 吉原は三陽商会の創業者の妹で、幼い頃から萩原朔太郎や北原白秋の詩に親しんでいたらしい。東大仏文科卒業後、劇団四季に入団。アヌ…

帰郷

会田綱雄という僕の両親とほぼ同年代の詩人がいました。戦後「歴呈」の同人となり、高村光太郎賞などを受賞した人です。中国に従軍した時の体験をもとにした「伝説」という詩で有名ですが、僕は「帰郷」が好きで、平易な言葉遣いの詩なので英語に訳してみた…

もの騙る猿

東北支部のS先生から『シグニファイング・モンキー――もの騙る猿/アフロ・アメリカン文学批評理論』(南雲堂フェニックス)を献本して頂いた。S先生もとい清水菜穂先生がもう一人の方と監訳したヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニアの代表的な著書の翻訳で、…

Ambarvaliaからかえらない旅人へ

(覆された宝石)のような朝/何人か戸口にて誰かとささやく/それは神の生誕の日 と書いたのは昭和8年(1933年)の『Ambarvalia』。それまでの憂愁と寂寥の日本的詩的世界とは異なる、明るい、透明なギリシャ的な言語空間を描きだした。それにとびきりアヴァ…

想い出の現代詩

「甃のうへ」 あはれ花びらながれ / をみなごに花びらながれ をみなごしめやかに語らひあゆみ / うららかの跫音空にながれ をりふしに瞳をあげて / 翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり み寺の甍みどりにうるほひ / 廂々に 『測量船』(昭和5年) 三好達治のこ…

Bartlebyの残響

昨日は人文学部の研究会「北海学園人文学会」の第2回研究例会があり、主催者・司会として参加。幸い20名ほど集まり、発表者の手塚先生の話も面白く、パワー・ポイントの使い方も参考になった。夕方は発表者の慰労兼忘年会。 さて標題の件は、講演の報告を司…

慎ましいイヴ

昨日は30日の仲間内の飲み会の場所を決める。30日だと大方の店が閉まっているので、やむ負えず少々高めの価格設定になるがホテルのレストランにする。これで今年の幹事役の終わり。終わりと言えば、今日の午後は所属学部の研究例会で司会が終了。司会当たり…

アララギとオンコ

昨日は年内最後の授業で「基礎ゼミ」と「英語講読」の試験。その後ゼミ発表2番手の学生と面談。構成の再考などを話す。夕方はゼミ生2名と小コンパ。年末の宴会候補の店に行くがいまいち。2軒目の「焼き鳥じゃんぼ」で昔の「エルフィン・ランド」の元常連と30…

暴力的な相棒

西部小説だけでなく、アメリカ映画にはバディ・ムービーという分け方があります。主人公と相棒との道行の物語。ニューシネマでも『明日に向かって撃て』、『真夜中のカーボーイ』、『イージー・ライダー」など枚挙にに暇がない。これはそのままロード・ムー…

アメリカン・ミザンスロピー

ロバート・B・パーカーのウエスタン小説『アパルーサの決闘』、『レゾリューションの対決』、『ブリムストーンの激突』を読んでいて、西部小説や西部劇における女のいない世界における男同士のつながりはホモ・ソーシャルなものだと思っていた。ジョン・フ…

支部大会終わる!

日本アメリカ文学会の第19回北海道支部大会が12月19日(土)北星学園大学で開催されました。昨年は雨が降っていましたが、今年は前日に雪が降って銀世界になっていました。 伊藤支部長の挨拶の通り、参加者30名強の小さな会だが中身は濃かった。第1部はお茶…

卵好き

午前中研究室で用事を足して、歩いてPホテルまで行き、1階のラウンジで昼食。久しぶりのカルボナーラでした。でもサラダを食べている時に出てきたので少し間をおいて食べ始めたら少しのびていました。美味しそうに見えたパンチエッタもコクがなかった。 午…

本の黴?

久しぶりに前から探していた本を借りに大学図書館の閉架書庫に行った。そこに同僚のN先生とI先生がいて、楽しく雑談。N先生の奥さんが義母と知り合いで百合根をもらったとか。I先生とは基礎ゼミの大変さについて。今年の僕のクラスはうまくいっているが。 で…

バートルビーと皿盛り

バートルビーの口癖というか行き方と死に方にもつながるのだが、"I (would) prefer not to."が気に入ってしまった。実は他の登場人物もこの口癖や他の言い回しに影響されてしまう。『何がサミーを走らせるのか?』の躁病的なサミーとは対極にある消極的なバ…

父と娘

金曜日の専門ゼミで11名のゼミ生のうちトップ・バッターの発表。この女子学生は基礎ゼミの時の学生で映画が好きで、僕のゼミに入ってきた。テーマは「モンローと原節子における日米女性像の比較」というものでなかなか良かった。 30分弱の発表、10名の学生か…

12月の雨

土曜日は午前中の土砂降りもふくめて一日中雨だった。温暖化のせいか時ならぬ雨が最近は多い。 夕方は近所の焼鳥屋さんでテニス仲間の納会。昨年は拡大路線で21名の出席予定者が15名しか集まらず、今年は幹事役を降りた。でも納会をしようよと声があり、小規…

後の先

相変わらず内田樹さんの本を読んでいるが、最近長い間読み続けているのが『死と身体―コミュニケーションの磁場』。その中で「後の先」という合気道の言葉が出てくる。相手が動き出すよりも遅れて起動しながら、相手の動きを制する。これをテニスの動きに置き…

Old age is honorable

バートルビーの語り手である法律事務所の所長は60近い弁護士。バートルビーが雇われる前に二人筆耕がいたのだが、そのうち一人がターキー。ターキー(七面鳥)は所長と同年齢のイギリス人で、午前中はすこぶるきちんと働くのだが、午後は昼食時のお酒で極端…

メルヴィルが面白い

先月の研究会ではメルヴィルの処女作『タイピー』が『白鯨』とミルトンの『失楽園』との関わりが論じられ、来週の支部大会の特別講演では「バートルビー」が扱われる。 この「バートルビー」がカフカ的な、それもかなりブラック・ユーモアが塗されていて面白…

祝、1周年

友人のお店MITUYA cafeが開店してから1周年たった。金土日とジャズ・クラシック・ボサノバのライブをしていました。僕はかみさんと土曜日のクラシックの演奏会へ。トリオ・パルムというチェロ・フルート・キーボードという編成のグループでした。 クラシック…

Buried Alive in Bluesも

勘違いの授業バージョンがまた発生しました。ロックを読む授業で、1学期はこちらが用意した曲、2学期は学生が選んだ曲を発表してもらっている。 学生に曲を選んでもらう時は、曲はよくても歌詞が簡単過ぎたり内容のないものは駄目だよと言っているのだが、他…

今度は「けざやか」

また知らない言葉について誤植ではないかしらと思い、確認を求めたらちゃんと存在する言葉でした。「けざやか」は「際立っているさま。はっきりとしているさま。」とYahoo辞書、デジタル大辞泉に出てました。尾崎紅葉の『金色夜叉』にも「黄金の腕環にけざや…

芸術の秋(冬?)

今週は道立近代美術館で「ルオー展」を見てきました。でも残念ながら僕の指向には合いませんでした。数年前広島で学会があった時に、美術館で見たルオーはよかったのに。 今回は点数も多く、その色彩があまりにも暗いのが展覧会全体を暗くしていたような気が…

学生に教えられる

恥ずかしい話だけれど、1年生の英語講読で"officitae"の訳を学生が「ししきする」と言っているのを聞き取れなかった。何回か聞いて「司式」だと分かってそんなのないだろう。「司会をする」だよと言って先へ進んだ。 授業の後、別な学生がきて「司式」って宗…

音楽について語る事

授業で学生が音楽について発表すると、取りあげる曲そのものではなく、その曲の周辺について語る事が多い。ミュージシャンの経歴やその曲の発表時に関する逸話など。歌詞の正確な訳と、その上での学生なりの解釈があって、補足的に伝記的事実が話されるのな…

『錦繍』を観る

昨夜教育文化会館で宮本輝原作の『錦繍』の舞台を見てきました。演劇を観るのは何年ぶりか言いずらいほど久しぶりでしたが、面白かった。原作の書簡体小説は、イギリス文学では最初の小説がS・リチャードソン(元代書屋、印刷屋さん)の『パミラ』なので、初…

Last Picture Show

西部小説のラリー・マクマートリーは1971年の映画『ラスト・ショー』(ピーター・ボグダノビッチ監督)の原作者でもあった。さっそく原作を取り寄せて読んでみました。 少々地味目だが悪くない。映画の内容とほぼ同じです。1950年のテキサスの田舎町が舞台で…

札幌で喜多方ラーメン

グランド・ホテルの「ビッグ・ジョッキ」で季節限定メニューとして「喜多方ラーメン」を食べさせるというので早速行ってきました。ここは5年前に亡くなった友人のN君とかみさんと飲んだところでもあった。懐かしい。 で本道初というアイス・ビール「ハイネッ…