支部大会終わる!

 日本アメリカ文学会の第19回北海道支部大会が12月19日(土)北星学園大学で開催されました。昨年は雨が降っていましたが、今年は前日に雪が降って銀世界になっていました。
 伊藤支部長の挨拶の通り、参加者30名強の小さな会だが中身は濃かった。第1部はお茶の水女子大学竹村和子先生を講師に迎えて、「生/死の欲動、表象、政治――バートルビーから照射して」という題目の特別講演。竹村先生はジュディス・バトラーの『ジェンダー・トラブル』の翻訳で有名だが、今回の講演ではフェミニズムについては一言も触れず、フーコーアガンベンを引用しながらメルヴィルの「バートルビー」を読み解く。近代社会黎明期における身体の政治化、語りの(不)可能性と脱主体化、絶対的労働拒否が存在論的解放につながる事などを話された。これはこれから本になるものなので詳しい紹介はできないが、本当に知的刺激に満ちた話だった。
 さて2部はドライサーをめぐるシンポジウム。ドライサーを共通項にノリス、ジャック・ロンドン、ポーを3人の講師が論じた。司会兼講師の岡崎さんは自然主義者ノリスのゴシック的な作品について、小古間さんはロンドンにおける作家の経営戦略について、そして東京から見えたドライサー研究の第一人者である村山先生は、ポーとドライサーの共通点について話された。特に一般的には共通項があるなどと思わない二人の作家が、ドッペルゲンガーの頻出、科学に対するアンビヴァレントな態度など多く類似点があると知って驚きました。
 2時から6時までの大会があっという間に終わる。大学生協3階で懇親会。北大の先輩にあたる村山先生とは初めてゆっくりとお話をする。
 竹村先生は昨年名古屋でのセミナーでご一緒した。商大の羽村さんの筑波での先生にあたる。
 2次会は村山先生のホテルに近い「ベティ」にした。後の若者グループが少々賑やかだったが、楽しく話して、僕はひとりで3次会へ。
 で昨日は本当に開放感に浸っていた。理由は支部大会だけでなく2学期の授業がほとんど終わった、という事は1年の授業が終わったに等しい。いろいろろあったが、反省は少し後回しにして、しばしゆったりと過ごしたい。