Little Wing 雑感

前述のようにギル・エバンスのジミ・ヘンドリックスへの音楽への傾倒は、1974年 Plays the Music of Jimi Hendrix、そして1975年There Comes a Time、1978年 Little Wing、さらには76才で亡くなる前年の1987年にアレンジを担当したスティングの『ナッシング・ライク・ザ・サン』でも「リトル・ウィング」も同アルバムでアレンジしています
 そのLittle Wingですが、最初に聞いたのがクラプトンの『いとしのレイラ』(Layla and Other Assorted Love Songs、1970)でした。高校を出たばかりの時で、クラプトンはクリーム〜トラフィックを経て、アメリカ南部のブルースへ関心を抱き、ブルース・ロックのアメリカのバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノスを結成します。その唯一のアルバム『いとしのレイラ』がタイトル曲「レイラ」を含む傑作でした。ゲストのデュエイン・オールマンのスライド・ギターがとてもよくて、やはりイギリスのギタリストとは違う、白人でもブルースが身に染みている音でした。オールマンは弟たちとオールマン・ブラザーズ・バンドを結成し、数枚のアルバムを出して、オートバイ事故で24歳で亡くなります。札幌ではデュエイン・オールマンのニック・ネームのスカイ・ドッグという名のブルース・バンドもありました。オールマン・ブラザーズ・バンドの音楽をよく聞いていた友人のロック喫茶も懐かしい。
でもその他のLittle Wing もよかったのです。エリック・クラプトンは後にトラフィック時代の盟友スティーヴ・ウィンウッドともLittle Wingを演奏しています。このLittle Wingはカバーが結構多いのですが、オリジナルももちろんいい。ジミは黒人としては珍しいロック・ギタリストとして、ディストーションハウリングなどのノイズを積極的に音楽にとりいれたパイオニアだと思います。ポストモダンン・ロックと言いたい。