ヌーヴォー・スイング

2001年ニューヨーク滞在中に、マンハッタンで夏のFree Jazz Lunchに時々行きました。「フリージャズ」をランチタイムに演奏するというのではなく、「無料のジャズ」を聞く事ができる時期限定の催しでした。ナット・キング・コールの弟のフレディ・コール(ピアノの弾き語り)、テレンス・ブランチャード(トランペット)のライブを聞きながら、ビールをお供にはハンバーガーやピザで昼食。場所も時計で有名なオリスのアトリウムで、なぜか竹の植栽が涼しげでした。マンハッタンは摩天楼の街ですが、高層建築の1階部分にアトリウム(吹き抜け)がけっこうあって寛げました。
一番気に入ったのは、1960年ニューオリンズ生まれの黒人アルトサックス奏者ドナルド・ハリソンでした。演奏もよかったのですが、ダンスを取り入れたようなお洒落なパフォーマンスとMC振りなども印象に残っています。そのハリソンが標榜するヌーヴォー・スイングは、1930年代のダンス音楽としてのスイング・ジャズに、現在の様々なビートを取り入れたものです。ブランチャードと同時期にジャズ・メッセンジャーズに在籍し、ドン・プーレンのバンドにもいたというキャリアも好ましい。学生にジャズを紹介する時に、ジャズ発祥のニューオリンズ出身で、伝統と革新を融合するジャズ・ミュージシャンとしていいサンプルとして取り上げています。
1997年のアルバムFree To Be所収の”Mr.Cool Breeze”の映像です。hhttps://www.youtube.com/watch?v=WTvbtKIHXTU