長崎の思い出

8年前の印象的な長崎の旅の事を思い出したのは、円山に長崎ちゃんぽんの店ができたから行ってみようと家人が言ったのがきっかけでした。8年前に岳父について長崎に4泊ほどしました。かみさんのお父さんが長崎で開かれる薬学会に行くので、随行と言うか80才になって少し足元が危ないので、家内がついていく事に。で、なぜ僕もかと言うのは微妙ですが、親子3人の最初で最後の貴重な体験でした。そしてなぜか薬学会かというと、かみさんのお父さんは札幌の老舗の薬局の長男として生まれ、一中・二高そして東大医学部薬学科を出ました。薬局から薬の卸、そして貸しビル業を営んでいましたが、学究肌で薬学会の北海道支部長だったようです。
長崎はいい街だった。今だから言えますが、休講にして出かけました。しかも長崎で研究調査中の大学の同僚に会ってしまった。東京や関西なら学会で偶然出会う事もありますが、よりによって私事旅行中に合うとは。長崎は初めてではありませんでしたが、いい街だとあらためて思いました。前に行ったと時はたぶん福岡であった学会の時に足を延ばしたのだと思います。今ではそんな事はできません。学会が何日の何時に始まり何時に終わるまで出張申請書に書き込むようになっています。
さていい街の理由は、その大きさ(土地と人口)、市電がある事、規模とも関連しますが、町の人がフレンドリーである事、訪問する場所が多い事などでしょうか。そして観光地もあり文化的・歴史的な建造物などがあればいいです。日本建築協会賞など複数の賞をもらっている長崎美術館もよかった。学会で各地に行く時に、観光地よりも美術館に行くことが多い。その町の民度というとエラそうかな、文化程度がそれなりに分かるような気がします。
でも5日間もいたので、大浦天主堂 、出島和蘭商館跡、眼鏡橋平和公園、長崎原爆死没者追悼平和祈念館、浦上天主堂グラバー園 といった定番の場所(観光地とは言いずらい)にも行きました。
 それ以外では出島ワーフ。ここは長崎港周辺のベイエリアにある複合商業施設で、レストランやいろんなショップが並んでいます。何よりも海に面した美しい景色を楽しめる場所でした。ワーフと言えば、32年前に行ったサンフランシスコのFisherman’s Wharfが有名ですが、日本各地にも〜ワーフってできているんですね。
 次は町中にあるエレベーターが印象に残っています。グラバー園がある外国人居留地跡の南山手には、坂を運行する建物外のエレベーターがありました。無料で眺めもいい。坂のある町の市民の足なのでしょうが、観光客も楽しめる。もちろんオランダ坂も複数回行きました。
 そして長崎ちゃんぽん。発祥の店として四海楼が有名ですが、僕は中華街の康楽(かんろ)に3晩通いました。もう1晩は江山楼、ここも有名らしいです。康楽へは、中華街で地元の人に聞いて入り、餃子や麻婆豆腐、回鍋肉など美味しいので、結果的に毎晩行く事になりました。接客は大雑把。一晩は岳父と3人で行き、寒いのでひざ掛けをお願いしたら、なんと新聞紙が出てきました。本当です、お義父さんの膝に新聞紙を掛けました。
 路面電車に乗って、ここで降りていいのだろうかと迷っていたら複数の人が親切に教えてくれました。地下鉄では景色が見えない。バスでは少し慌ただしい。その点路面電車と言うのは、風景が見え、乗っている人も乗り降りもゆっくりして、札幌を含め各地でその良さが見直されてきています。亡きお義父さんとの旅行という事で思い出も多い。
 写真は長崎美術館です。