Fragileの変奏

Fragileという曲をライブで他のミュージシャンと共演するエスビョルン・スヴェンソンのピアノが鳥肌ものです。毎日音楽を聴き続けていますが、こんな事は1年に一遍もない。さて曲はスティングの1987年 Nothing Like the Sunの中の1曲です。アルバム・タイトルはシェークスピアソネットの一節。このアルバム自体佳曲ぞろいですが、特にFragileが好きです。
 で何となくこの曲のカバーを探していると、先ず71才の黒人ジャズ・ピアニストのケニー・バロンの演奏が魅力的なテーマとその変奏およびアドリブがよかったです。次に発見したニーナ・ヴィダルという黒人女性ボーカルのバージョンがよくて、さっそく聞きながら別のブラウザでアマゾンからLove,Pop & Soul-The Cover Sessions Vol.1 を購入。そしてこれはどうかなと聞いてみたのが、パット・メセニー(g)、マイケル・ブレッカー(ts)そしてエスビョルン・スヴェンソンという1964年生まれのスウェーデンのピアニストによる「フラジャイル」。良かった。特にベースとピアノ。
CDの棚をチェックすると、スヴェンソンがリーダーのピアノ・トリオe.s.t.が出したアルバム13枚の内6枚も持っているので気に入っていたんですね。2011年3月に新し目のピアノ・トリオのおさらいをブログでした時にこのe.s.t.についてもふれています。本当に惜しい事にスヴェンソンは2008年ダイビング中の事故で亡くなっています。まだ44歳だったので、その後のピアニズムの変遷を聞いてみたかった。さて映像で見るのは初めてですが、立って弦を押さえて鍵盤を叩いた後に座ってひきはじめますが、その演奏が素晴らしい。見た目はけっして格好いい演奏スタイルではないのですが、鍵盤にふれて音を出すまでの葛藤が分かるような、創造の現場に立ち会うような臨場感があって、何回も見ました。
https://www.youtube.com/watch?v=9v4kUc3J0DI