トゥオンブリーと儚い線画

写真はニューヨークの近代美術館で撮った象徴主義の画家サイ・トゥオンブリー(Cy Twombly)の「レダと白鳥」(1962)。「レダと白鳥」はスパルタ王の妻であるレダをゼウスが白鳥に変身して誘惑したというエピソードですが、彫刻や絵画などにおけるモチーフとしてよく取り上げられているようです。しかしトゥオンブリーの作品は官能的というよりは、繊細で儚げな印象を持ちました。
実は2011年ローマで亡くなったアメリカの画家トゥオンブリーの個展を東京出張中に見れたんですが。しかも品川の原美術館で5月23日(土)から「サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡」が開催されています。その事は6月3日(水)の朝日新聞の夕刊で知りました。残念。トゥオンブリーは無彩色に近い背景に筆記体の字を続けて書いたようなカリグラフィー的な作品を描いていたけれど、1980年代以降は植物をモチーフに色彩を多用した作品を制作していたようです。僕がMOMAで見たのはその少し前なので、その前後の作風の折衷のような過渡期のような作風のように思えます。
地方都市に行く時には、美術館をチェックするのですが、東京の場合は別の方面に目が向いて、見逃したのが残念です。