薄幸のスター

 先週アラン・ドロンロミー・シュナイダー共演の『太陽が知っている』(1968)、今日は『勝手にしやがれ』(1959)を眺めて、そう言えば、ロミー・シュナイダージーン・セバーグもずいぶんと早くに亡くなっているという共通点に気づきました。
 ジーン・セバーグは1979年に40歳で、ロミー・シュナイダーは1982年に43歳で亡くなっていますが、生まれは偶然か共に1938年。生きていればまだ74才でしょうか。 ジーン・セバーグは19歳でサガン原作の『悲しみよこんにちは』(1957)でスターになりました。超ショートのセシール・カットが流行ったらしい、僕はまだ5歳の頃なので後から知りました。ゴダールの『勝手にしやがれ』(1959)でベルモンドと共演。残念ながら、その後たいした映画には出ていません。ブラック・パンサーに肩入れしてFBIに睨まれたそうな。1979年パリで自殺。享年40歳。
 ロミー・シュナイダーはドイツで「プリンセス・シシ―」シリーズで有名なった後、『恋ひとすじに』(1958)でアラン・ドロンと出会い、恋に落ち、婚約したのですが、別れてしまいます。ドロンが結婚したナタリー・バルテルミーはかなりドロンと容貌が似ていてドロンってナルシストなのだと思います。ま、スターは多かれ少なかれ自己愛が強いとは思いますが。
 このドロンとの失恋が尾を引いたようですが、晩年(早すぎるような気もしますが)のジャン・ルイ・トランティニヤンと共演した『離愁』(1970)と、1975年のロベール・アンリコ監督の『追想』で映画ファンの記憶に残ると思います。
 ドイツ人のロミー・シュナイダーが、『離愁』ではナチスに追われるユダヤ人、『追想』ではやはりナチスに殺されるフランス人を演じているので、どうも故国ドイツを出てからの彼女に対するドイツの反応に対する彼女の無意識の反感が伺えるような気がします。