音於通勤与我楽?

  iPhoneで通勤中の音楽を楽しんでいます。しかも家で本を読んだり、お酒を飲んだりしながらの「ながら」リスニングとは違い、真面目に?聞く事が多いです。それで新しい発見もあって楽しい。
 昨日はバス停で、マイルスのIn a Silent Wayを聞いていて、最初はザビヌルのキーボードとショ―タ―のソプラノを聞いて、ああもうすぐWeather Reportを結成する予兆がここにはあるなぁと感じました。しかしマイルスのトランペットが入ってくると、そこは一挙にマイルスの磁場と化してしまいます。それくらい、マイルスの音、音楽的パワーはすごい。アコースティックの最後『ネフェルティティ』(1967年)からエレクトリックを実験的に導入した『マイルス・イン・ザ・スカイ』(1968年)と『キリマンジャロの娘』(1969年)を経て、エレクトリックに自信を持ったマイルスがここにはいる。
 どうもWeather Reportの標榜するソロ/非ソロ的な音楽にトランペットのような楽器は個性が突出して合わないような気がする。
 で今日はチャールズ・ロイドのForest Flower。今みると当時は新人だったピアノのキース・ジャレット、ドラムのジャック・デジョネットがやはり並の新人ではない演奏ですごい。もちろんベースのロン・マクルーアも悪くない。ここでの発見は、ロイドのフルート・ソロのバックでピアノが普通の伴奏でないように聞こえてきた。どうもバックでありながら、次の自分の出番のピアノ・ソロの一部をすでにフルートの後ろで始めているように聞こえる。
 普通の、もしくは凡百のソロの引き渡しは、前のソロと次のソロの継ぎ目が見える。しかしキースのソロの引き継ぎは自然というか、引き継ぎののりしろの部分が逆に濃いようにも聞こえる。つまりのりしろの部分が判奏として自然であると同時にソロにもなっているので、2つのソロがダブっているようにも聞こえて、とても興味深かった。
 「ながら」的ではなく、きちん音楽を聴くと、いろんな事が見えて(聞こえて)くるんだなぁ。タイトルは「通勤中の音楽は楽しい」という意味のつもりです。