UPennも懐かしい

 UPennとはUniversity Pennsylvaniaの略称・愛称です。英文学部の学部長はWendy Steinerという女性研究者で、他の院生や研究生と一緒にお宅でのパーティに伺った事も。スペインからの院生でSuzannne Vegaというシンガー・ソングライターと同名で印象に残っています。黒人男性のHerman Beavers教授はコルトレーンフィラデルフィア出身のジャズ・プレーヤー)も扱うような文学論を行っていました。ネットで調べてみると"Literature of Jazz"というコース名で、「ジャズと大衆音楽」という副専攻の必修科目になっています。でも同時のその授業ではイーディス・ウォートンの『歓喜の家』もテキストに使っていました。当時キャンパスで黒人と中国人の混血の女性活動家が投身自殺をしたのを受けて授業でもその事を議論したのを覚えています。
 また別のアイルランド系女性教員の文学入門の授業では彼女の専門であるモダニズム作家ウルフの小説を論ずると同時に、アート・スピーゲルマンの『マウス』を取り上げていました。Vicki Mahaffeyという名前でReauthorizing Joyce"というジョイス論を発表しています。
 2001年のコロンビア大学の時は4月から9月までであまり授業もなかったのですが、ペン大の時は9月から4月まで2学期間いて映画の『フィラデルフィア』からいろいろと大学の事なども思い出してきました。映画ではベケットの実家がメリオンという設定になっていますが、有名なバーンズ・コレクションもある閑静な郊外です。一方フィラデルフィアはワシントンと並んで黒人の多い街で、バスに乗ると僕たち以外は100%黒人の人たちの事もありました。住んでいたアパートのマネージャは白人でしたが、他の従業員(フロントや掃除など)は黒人の男女でした。