玉子 ふわふわ

 『玉子 ふわふわ』(早川茉莉編、ちくま文庫)を店頭にて購入。玉子料理のレシピ集ではなく、卵料理についてのエッセイ集です。森茉莉石井好子向田邦子伊丹一三やなどの玉子についての思い入れ文が収録されているけれど、一読して一番興味深かったのは、堀井和子さんという料理スタイリストの文章でした。「早起きトマトと目玉焼き」と題された一文は、小学生の頃、夏休みにに茨城に住む伯母さんの家で1週間ほど過ごした思い出についてです。
 そこでは7人の従兄妹がいて、一番下が筆者よりも1歳上、しかしこの従兄妹たちはとても面倒見が良くて、小さい足手まといであろう筆者を連れて、川に海に遊びまわったらしい。たくさん遊んでぐっすり眠った翌朝、伯母さんが用意してくれた朝ごはんのトマトと目玉焼きがタイトルの由来です。筆者はたぶん一人っ子、東京住まい。大勢で食べるのがまた美味しいようだ。
 何故このエッセイに心ひかれたのだろうか。僕よより二つ年下の筆者と当時の遊び方に共通する部分がありあそうだ。夏休みでなくても、学校から帰ると同級生とも遊ぶけれども、けっこう近所の子供たちとも遊びました。3歳年上の兄、1歳下のお向かいのY坊(いまでも彼が継いだお店が同じ場所にあります)、その隣の僕より数歳年上のNちゃん。このNちゃんは痩せた手足の細い、知恵おくれの少年でした。でも皆と一緒に遊んでいましたね。
 単純に過去を美化するつもりはないけれど、いじめは少なくとも深刻ないじめはなかったような気がする。中学の同級生で、小柄で少し歯の出た、だけど気の強いI君は大柄な数人の同級生にからかわれる事はよくあったけれど。
 書きながら思い出すのですが、高校進学に関して受験勉強と言うのはなかったですね。でも僕の通った中学では場所がらか中学から働きに出る生徒が僕のクラスでも1割の5人くらいいたかな。遊びに話は戻るけれど、学校が終わると家に戻って、バットとグローブをひっつかんで、近所の公園とか工場のグランドで野球。冬は雪スケートといって、スキー靴にごっついスケートとつけて、雪道をすべる。竹スキーで庭に積み上げた雪山を滑り降りる。この雪山を段ボールをお尻に引いて滑る事もありました。屋根に敷くトタンを使うと滑りがいいのですが、角でズボンを切る危険もありました。
 何故か玉子エッセイから、子供時代の遊びに連想と言うか話が横ずれして。