4年生ゼミの行方

 金曜日の午後は4時間目3年生のゼミと5時間目4年生のゼミが続いてる。3年生12名中1名体調が悪く11名出席。4年生10名中5名出席。マスコミでも言われているように就職状況が思わしくなく、就活でゼミを休む学生が多い。特に6月は公務員試験もあり、また1学期中に決めようと思うと焦る時期でもある。
 確かにゼミでしている事は就活には直接役に立たない。でも今すぐ役に立たない事を学ぶのが大学なのだから、現在大学4年生が置かれている状況は大学の存在意義を問うようなものでもある。時々就職試験の問題を持って来るゼミ生がいるけれど、中途半端に難しい知識を問う問題が多く、思考の訓練にはならない。
 水曜日に話し合いをしたキャリア・ガイダンスも文科省がお節介にも設置基準を改正して、大学で就職を意識したカリキュラムを考えろと押しつける。また大学側は喜々としてではないだろうけれどそれに対応してしまう。こんな風に混沌とした世の中では、ばたばた無駄に動くよりも、じっとして長いタイム・スパンで将来のことを見据える姿勢が必要なのではないだろうか。
 来年から始まる共通教育あらため一般教育のカリキュラムでは、「教養科目」、「人文科学」などの名称が復活してカリキュラム改革と言いつつ1991年の大学設置基準大綱化の前に戻りつつあるようにも見える。これは全国的な傾向のようだ。あの時議論をして教養部廃止をしたのは今と同じように文科省に踊らされたからだ。
 若い学生が知識も経験もなく社会の動きに流されて、大人の笛に踊ってしまうのは仕方がない。しかし笛を吹く大人の愚行を止められない自分が歯がゆい。