久しぶりの司会

 2日土曜日の午後は第55回日本英文学会北海道支部大会の研究発表の司会。アメリカ文学の藤井光君の発表の司会をさせてもらいました。藤井君の司会は昨年も含めて4回くらいしていますが、今回はダニエル・アラルコンというペルー生まれアメリカ育ちの若い作家の『ロスト・シティ・ラジオ』という作品論です。
 南米のある国の内戦後の傷跡を国家の歴史と個人の記憶についての物語です。これは今年のNASSSの「記憶の共有」や「亡霊のアメリカ文学」というプロジェクトと関連していて興味深く準備をしてきました。「ノイズ」というのが国家の歴史から零れ落ちるもののきしみとともいえ、それは亡霊やエコーとして再来してくる。しかもそのノイズは個人の記憶においても出現するところが面白かったです。