e.e.cummingsと映画

 『君がくれた未来』(2010)というヨット・レースと自動車事故で死んだ弟との交流と恋愛がテーマの青春映画の終わりの部分を何となくながめているとe.e.cummingsの詩が主人公の青年(ザック・エフロン)によって女性に語られる場面がありました。後でネットで調べてみると
 Trust your heart if the seas catch fire. /Live by love though the stars walk backwards.
 Honour the past but welcome the future.

 という詩で「たとえ海が燃えたとしても、自分の心を信じなさい。星が後ろ向きにに歩き出すかも知れないけれど、愛に生きよ。過去を賞賛しつつも、未来を待ち望め。」というような意味だろうか。「自分の心と愛と未来」が「燃える海と後ろ向きに進む星と過去」の対立項とセットになるレトリックで特に目新しくはないけれど、逆に素直に心に入ってくるのかも知れません。
 僕はe.e.cummingsの『チューリップと煙突』という詩集が好きでしたが、1986年の『ハンナとその姉妹』(ウディ・アレン)でハンナ(ミア・ファーロー)の夫のエリオット(マイケル・ケイン)がハンナの妹リー(バーバラ・ハーシー)の後をつけて入った書店(ダウンタウンのストランド?)でカミングスの事を話題にしたの場面を覚えています。
 それ以外の映画におけe.e.cummingsの引用の例はネットで探したものですが、In Her Shoes"(2005)で主人公のキャラクターが最後近くの結婚式で朗読した"I Carry Your Heart With Me"。
 グウィネス・パルトロウシルヴィア・プラスを演じた『シルビア・プラス』("Ted and Sylvia"、2003)でもe.e.cummingsが登場するようです。