エジンバラ・モルト

エジンバラの酔っ払い探偵ジョン・リーバスを読みながら、エジンバラ縁のシングル・モルトを飲んでいます。エジンバラのあるスコットランドのLowlandは以前はともかく、今はシングル・モルトの有名蒸留所は多いとは言えません。HighlandはWest HighlandとSpeysideも含んでいて蒸留所が多いし、Aislayはその強烈な個性で有名ですが。でエジンバラから30キロほど離れたところにある蒸留所で作られたGlenkinchieを久しぶりに買って飲んでいるタイミングで、エジンバラを舞台とした刑事小説を読んだので。
Glenは(谷)はともかく、kinchieの説明にド・クィンシーが出てくるとは。蒸留所があった農場の所有者だったと書いていました。ド・クィンシーは、英文学を学んだ人ならだれでも知っている『阿片服用者の告白』(1822年)の作者です。オックスフォード大学でワーズワースや コールリッジと交遊していた時期に、歯痛の鎮痛剤として当時は合法だった阿片を使って後に中毒になったんですね。その後1830年エジンバラに住むようになるんですが、借金で2回、債務不履行の罪で3回起訴されたのは、たぶん麻薬を買うお金のために借金をしたんでしょうか。ドラッグで破滅する芸術家の先駆者でした。
 ただ今度読んでいるのは、同じ作者イアン・ランキンによる禁酒中のマルコム・フォックス警部補の『偽りの果実』(新潮社、2015年4月)なので、これはやはり飲まないで読まなくては(無理だけど)。