ヘミングウェイの「ポーター」について

昨日は2カ月ぶりに研究会でした。役員会と年度初めの総会も前後に開催されて。2時30分から6時30分まで4時間の長丁場でした。研究会は来週ヘミングウェイ協会の大会(立正大学)で開催される発表のリハーサルも兼ねて。
 ヘミングウェイの未完成だった作品の一部である短編”The Porter”の4人の解釈がそれぞれ面白い発表でした。最初は伝記研究をしている人の何故未完だったかについて、その前後の作家本人や家族(妻や父)の病気や人間関係から解釈をしていました。2番目は黒人ポーターが白人の少年に見せるものついての解釈。代理父親的な役割を担って、大人の黒人の世界を垣間見せるイニシエーションの意味もありそう。3番手は列車の移動する視点と物語の視点から論じていました。視点の揺らぎという指摘でしたが、モダニズム的には視点は固定的ではなく揺らいでいる方が常態かなと思いました。最後が司会兼の発表者で、ヘミングウェイ研究者なので、テキストの正確な読みと作家への愛(敬意)と、ポーターの社会的な文脈も含めて、とても参考になるものでした。
 懇親会と2次会で、楽しかったけれど疲れた。