時間論の決着

バシュラールの『瞬間と持続』は、時間論に関心を持っていたので目に留まった事もあります。大学2年か3年の時に『中央公論』(1971年3・4月号)に掲載された小原信の「現代人の時間信仰」が僕の卒論のテーマを決めました。この論文は他の論考と共に『状況論理の可能性』(中央公論社、1971年)としてまとめられ、和辻哲郎賞を受賞しました。今手元にあるのは1983年15版です。
時間論に関心を持った僕は、英文学の中でヴァ―ジニア・ウルフの作品を取り上げて卒論を書き上げました。今だから言えますが、けっこう先行研究を模倣した部分もあります。卒論ってレポートとそんなにレベルも変わらないと自分については思っています。その後の修論でもウルフだったし、就職して30代初めまで文学と時間について書いていました。そんな意味で、時間論について自分なりに決着をどこかで付けたいなとも思っています。