他人の重荷を背負う

The BandのThe Weightを訳しています。これはバンドの曲の中でも有名で1968年のファースト・アルバムMusic From Big Pink収録。僕はアメリカのルーツ・ミュージックというか、黒人のR&Bやゴスペル、白人のカントリーやフォークなどある種ごった煮的な泥臭い音楽を奏でるバンドが好きです。、演奏能力は極めて高く、メンバーが複数の楽器を持ちかえ、ほぼ皆ボーカルを取ることで、重層的な渋い、でも深いロックを作り出してきたと思います。
 さて訳はけっこう難しい。ネットでA先生のファンによるブログで、A先生が早稲田で非常勤をしていた時に学生の解釈を見つけました。これがなかなか面白いです。でそのA先生は最近北大に赴任してきたそうな。文学部の知り合いに聞いたらどうも事実の様でした。
 さてThe Weight。ナザレ、カルメン、ルカ、チェスターなど聖書やその他の出典がありそうな場所や人物が出てきて、語り手はそれらの人物と遭遇しながら、安息の地を求めて旅をしているようです。
 さびの"Take a load off Annie, take a load for free"は「荷物を下せ」と言っているのか「荷物を背負え」と言っているのか判然としないのですが、最後に"Take a load off Annie, And you can put the load right on me."と言っているので、他人の荷を背負うキリスト的な人物にも見えてきます。
 動画はThe Staple Singersと共演しているThe Band。この曲は『イージー・ライダー』にも使われています。キャプテン・アメリカとビリーがヒッチハイカーのヒッピー(ルーク・アスキュー)を乗せて走るシーンです。
 http://www.youtube.com/watch?v=sjCw3-YTffo