鮭雑煮

 本城家のお雑煮は、北海道の普通の焼いた角もちを入れたお澄まし仕立てでした。もちろん北海道は本州のいろんな食文化が入っていますが、雑煮は関東風に統合されていったようです。母方は祖父が鳥取出身ですが、甘い小豆の入った丸餅のお雑煮ではありませんでした。
 父方は山形県酒田出身なので、庄内地方の焼いた丸餅に醤油仕立ての汁でしょうか。もちろん時代と地方、世代によっていろいろと異なるでしょうが、最近は「県民ショー」などで、地方の食文化の違いが面白おかしく、時に不正確にショーアップされて取り上げられていてて、けっこう他の地方の事情について知るようになりましたね。
 さて鮭雑煮は、結婚して初めて食べました。家内の父親の先祖が新潟なので鮭雑煮。新潟の村上の鮭も有名ですね。鮭雑煮は、鮭の切り身を焼いて、澄まし仕立ての汁に入れます。具は鮭の他に、しみ豆腐、薄く切ったこんにゃくや大根など。餅は焼いた角もち。鮭の切り身をそのまま入れている写真も見ましたが、うちでは切り身を小さく切って入れます。その鮭の塩味が基本で醤油は香りづけ程度(この辺は家内に確認しながら書いています)。三平汁のようであっさりして美味しい。でも鮭の切り身にハラスの部分もないと少しこくが足りないかなと思ったりします。三平汁は同じ鮭のみそ味仕立ての石狩鍋とよく間違えられますが、こちらは鮭の他にニシンや鱈の塩引きや糠漬けをその塩味で野菜と煮たものです。これも美味しい。
この鮭雑煮は東日本に多いそうですが、西日本はというと鰤雑煮らしい。長野(西日本?)や広島では鰤雑煮。やはり天然の鰤の血合がある切り身だと美味しそうだけど。
我が家の奥さん謹製の鮭雑煮です。左上のピンク色が鮭の切り身。トッピングのイクラはディスプレイ用で、最初に入れると熱ですぐ白濁してしまいます。本当は鮭の切り身を食べた後に投入して塩味の補強をはかります。この後、その塩味の適否を巡っての若干の・・・