ハリー・ボッシュのラス・ベガス

 そんなに暇でもないのに、コナリーの作品を読み続けています。今度は『天使と罪の街』。現代はThe Narrows、「狭い川」でハリーが導かれてしまう、悪の待ち構えている場所を指しています。
 しかし翻訳の題名は「ロサンゼルス」と「ラス・ベガス」を指していて、ロスはハリーの本来の活躍の場所なのでともかく、ベガスは今回の事件に関係する場所で、かつ元妻と前作で存在をはじめて知った小さな娘の住む街です。
 ベガスは一度行った事があります。ギャンブルには一切関心のない僕が行ったのは、グランド・キャニオンへ行くための中継点だからです。ニューヨークから日本のJTBのツアーで、在米の日本人20数名と行きました。ニューヨークから飛行機でラス・ベガスに降り立つと熱気がすごかった記憶があります。ニューヨークも夏は100度(摂氏40度くらい)になりますが、意外と湿度もないのですが、ラス・ベガスは熱かった。それと空港にスロット・マシーンがあるので驚きました。このスロット・マシーンはラス・ベガスに偏在するアイテムで、コンビニやレストランにもあります。
 ラス・ベガスで集合したツアーの一行は、プライス・キャニオン〜モニュメント・バレー〜グランド・キャニオンを旅しました。特にグランド・キャニオンには小さな飛行機でも上空を飛んでみましたが、ナイアガラと並んでアメリカの自然の壮大さを象徴する絶景だと思います。でも去年でしたかJTBの同じ旅程の日本人ツアーが事故に合ったので、新聞を読んで驚きました。スタッフが足りなく、経験の少ない添乗員が運転手も兼ねていたような。僕らの時はベテランの日本人添乗員と、アメリカ人の運転手でしたが。
 それでラス・ベガスですが、結論を言うと楽しかったです。何故か考えてみました。ホテルやレストランがあまり高くなくて、ショーやお土産が充実している。つまり男性のギャンブラーでなくても楽しめ、家族やカップルで行っても、ギャンブルをしない女性や子供も楽しめるようになっています。想像ですが、ギャンブルで負けることはない胴元が、その利益を安い宿泊料などに還元して、客を呼び続ける事になっているのでは?
 僕らはルクソールというピラミッドを模したホテルに泊まりました。スロット・マシーンでは30ドルほど損をしました。スロット・マシーンの1回の最低金額は1ドルですが、最高はVIPルームで1万ドル?!もあるそうな。ルールを英語で知っていれば、ブラック・ジャックやルーレットにも挑戦したかったのですが。食事は噴水ショーでも有名な「ベラージオ」。ここは現在日本でも一般的になっているブッフェ(バフェット、バイキング料理の別名)が15㌦ほどで美味しかったです。
 最後にハリーに話を戻すと、彼は長期滞在なので郊外の安ホテルに泊まり、仕事を頼んだ臨時の相棒が勝手に高級ホテルのベラージオに泊まって怒られる場面があります。またハリーの元嫁のエレノア・ウィッシュは元FBI捜査官で、現在はプロのポーカー・プレーヤーとしてカジノで生計を立てています。かなり優秀なプレーヤーで、魅力的な女性でもあるので、ベラージオでも優遇されている設定になっています。