異邦人の視線

 イギリスの画家が陽光あふれるカリフォルニアでプールの絵を連作する。タイトルの「より大きな水しぶき」はホックニーを主人公としたドキュメンタリー映画のタイトルにもなる。そこには何故か水着の女性でなく裸の男性が描かれる。あとから知ったがデヴィッド・ホックニーってゲイだった。でもその男性ヌードは奇妙?などほどいやらしくない。
 その底抜けに明るいカリフォルニアの風景はやはりどこか異邦人の視線のような気がする。べたっと平面的な青さ。ホックニーの眼差しは子供のような純粋な好奇心に支えられていて批判的な諧謔的な含みはない。そういう作品に対してはコメントしずらいですね。見たままですよと言うしかない。能天気で屈託のない、これもまた一つのアメリカ。