断言と証言拒否

「首相および首相夫人からの指示があったか」との質問に対して「なかったと断言」した事と、「決裁文書改ざん」については証言拒否をした事、この2つを重ね合わせて考えれば、証言拒否は改ざんを間接的に認めた事になる。何故なら改ざんをしていないなら、しなかったとこれも明言できるはずだから。
質問をする人は、事前に調べてきた細かい日時の確認も必要かもしれないけれど、相手の複数の答えからその矛盾を引き出す事が大事だと思います。ライブでのやり取りの中での論理的矛盾の追及ができなくては。

もともと「首相および首相夫人からの指示」はないけれど、首相夫人が「関わっている」案件だから、官僚は「忖度」をして土地の値段が不当に値引きされたはずです。
「公文書の改ざん」はしてはいけないけれど、「民主主義の根幹」に関わるとは思わない。「民主主義の根幹」は「民」が「主」権を持つ事だから、主権者たる国民が選挙で選んだ議員≒政治家は国民の権利を守る事を付託されている事を自覚して、官僚と協力して国政を進めて行かなければいけない。
しかし内閣が官僚の人事権を握る内閣人事局ができてから、官僚は内閣の顔色を窺うようになり、指示や命令のない案件についても「忖度」をして自分たちの保身と出世を目論むようになり、今まで以上に国民が置き去りにされるようになってしまった。
本当は政治家というのは普通の人間よりもモラルが必要な職業なのだけれど、この時代に君子は望めないので、少なくとも自分の立場が周りの人にどのような影響をもたらすかを自覚した大人=常識人でないと、このような大変な時期にある意味でつまらない事で国会審議の貴重な?時間を費やす事になる。
 でも僕も含めて多くの人がこの問題に関心があるのは、民主国家における「公正さ」の意識だと思う。国家の運営の経済的基盤である税金をフェアに徴収し、インフラの整備等にフェアに使用する事が前提である。特に税金申告の時期に、様々な書類を揃えて税務署に何度も足を運んだ経験から、この税金ちゃんと使ってねと強く思います。
それなのに文書作成と保管のプロである官僚が失くしたというのは、100%に近い確率で文書にまずい事が書かれていたからだ。だから改ざんした。僕と務めていた大学は事務の人に「書記」という言葉を使っていて、他の大学ではもう使っていないよねと事務の人も言っていました。しかし文書を作成し記録し、そして保管する事が事務職の基本だと思います。

 そしてまずい事が書かれていた文書を改ざんした事を認めたら、始めに戻るけれど、なぜ改ざんしたかという理由と誰が指示したかという事に話はおよぶ。そして政治家(内閣・大臣)は誰も指示や命令はしていいないと思う。上司の無言の指示を忖度するのが日本的組織のあり方だからだ。だから罪はこの場合の上司である政治家に及ばず、官僚の中の誰が指示をしたかという事になり、当時の理財局長がその罪を負うのだろう。
 だとしても、首相夫人の関わりはどのような道徳的な過ちに問われるのだろう。


愛菜亭(札幌の野菜屋さん)のオレンジ。アメリカで飲んだ生のオレンジ・ジュースの味がして美味しく懐かしい。