Fairfield Porter、具象の画家

フェアフィールド・ポーターの画集が忘れた頃にやってきました。春にアマゾンで注文していたんですが。1975年に68歳で亡くなったアメリカの画家ポーターはハーヴァードの芸術学部で学んだ後に、ニューヨークにでてきて、マンハッタンの西57丁目にある「「美術学生連盟」で学び続けます。有名な同窓生として、ミルトン・エイヴリー、マーク・ロスコジョージア・オキーフ、ヘレン・フランケンセーラー、ジャクソン・ポロックロバート・ラウシェンバーグ、ノーマン・ロックウエル、フランク・ステラなど。
 ジャクソン・ポロックに代表される抽象表現主義の流行の中で、リアリズム画家として批判されたようです。絵の主題は主として風景、室内、家族や友人の肖像などです。友人には詩人のジョン・アシュベリー、作家のフランク・オハラなどがいました。現在90歳になるアシュベリーには27年間に北星学園大学で講演を聞いた時に、話をして詩集にサインをしてもらいました。
アンティミスト(親密派)と呼ばれたフランスのボナールやヴイヤールの影響があると言われています。確かに室内や肖像画も多いですが、印象派以後の画風で、華やかな色調のボナールと地味目の色合いのヴイヤールは僕の目にはルノワールに似ている。それとフランスの画家は絵の中に多くのものを詰め込み過ぎるので、フェアフィールドはアンティミストでミニマリストのように思えます。小さなテーマを細かく描くという意味よりも、1つの絵の中に描くアイテムを少なくしてコンパクトな印象を与える。それが絵をスッキリさせていると。風景に自然の美を、日常の生活に啓示的な瞬間を見出すタイプです。これって優れた短編小説のココロと同じですね。