テニスの英語

前項で書き足りなかったので追加です。 サッカーや、競馬、ゴルフのように多くの近代スポーツが英国発生ですが、テニスはフランス発生です。二人の人間がネットをはさんで球を打ち合うという球技の起源は紀元前のエジプトにまで遡るのですが、詳しい歴史はさておいて、「テニス」の名称は攻守交代の際のサーバーのかけ声Tenez!(トゥネ!)からきています。フランス語の動詞 tenir(英語ならtake)の命令形で「取りなさい」という意味で、「俺の打ったボールを取ってみろ」というニュアンスに近いでしょうか。
ロンドンに4カ月ほど住んだ時に、南西のウィンブルドンリッチモンドのもう少し先の昔のハンプトン・コート宮殿(Hampton Court Palace)に行きました。そこで屋内コートを見ましたが、18世紀から19世紀にかけてヨーロッパの貴族の間でテニスが流行し多くのコートが建造されたそうです。ロンドン滞在は4月から8月だったので、ウィンブルドンには3回も行きました。ちょうどベッカーが引退する頃、ビーナス・ウィリアムスがデビューしたころでした。1回は一人で、1回はリッチモンドに住んでいた友人を訪ねる前に行きました。かみさんと試合の終わった後の主審の台の後ろについてある、選手の飲み物が入っている部分を興味深そうに見ていると、その中に入っているサンドイッチをくれました。ロンドンで食べた思い出に残るサンドイッチでした。
 さてタイトルのテニスの英語に戻ると、ゲームは1つのプレーに勝てば1ポイント獲得し、0ポイントは「ラブ」(love)、1ポイントは「フィフティーン」(15)、 2ポイントは「サーティ」(30)、3ポイントは「フォーティ」(forty)と言いますが、何故このような呼び方ができたか気になるところです(そうでもないかな)。「ラブ」については0が卵の形に似ているので、フランス語の「たまご」のl'oeuf(レフ)と呼ぶようになり、それを英語のlove(ラブ)と聞き違えて広まったという説が有力です。あとの数え方は時計の文字盤を4分割したものですが、なぜ「フォーティ・ファイブ」ではなくて「フォーティ」かと言うと理由は簡単で、他の3つは2音節、forty-fiveにすると3音節で長くて言いにくいからです。