『カルテル』〜『犬の力』

ドン・ウィンズローの『カルテル』(角川文庫、4月)を読んで面白かったので、前作『犬の力』(2009年)を読み直してみた。興味深いの比較的読んできたウィンズローだが『犬の力』は自分の中で興味が持てず、さっと読んで終わっていたんです。
 ところが今回続編の『カルテル』を面白く感じて、東京への出張に『犬の力』を持参して読み続けました。映画『トラフィック』の麻薬戦争の物語をさらに詳細にかつ残酷に描いています。その描写は一時期のジェームズ・エルロイを思わせる。しかしエルロイほど短いフレーズを叩きつけるような文体ではない。そこもいいかも。
 そして悪い癖かもしれませんが、一人の作家の全作品をインターテクスチュアルに解釈しようと、『フランキー・マシーンの冬』も本棚から取り出して読む事に。実は『フランキー・マシーンの冬』はデニーロ主演で、『犬の力』〜『カルテル』はまとめてリドリー・スコット監督、デカプリオ主演で映画化が進んでいるようです。