巴旦杏の思い出

円山で評判の中華のお店「玄」に行ってきました。円山クラスの裏手にある、ラーメン屋や喫茶店の並びのカジュアルな店ですが、何回かトライしましたが満員だったり予約しても一杯でした。今回もほぼ満員でしたが、夕食時を外して7時半とか8時頃行くといいかも知れません。
店主はパーク・ホテルの桃源郷で修業をしたようです。桃源郷は職場から歩いて20分ほどで、中島公園を見下ろす席で正宗杏仁を食べる事があります。杏仁とは杏(あんず)の種の中にある仁(さね)の事で、杏仁豆腐はそれを使います。ただ最近はアーモンド・パウダーを使う事が多いようですが、それに対して本当に杏仁を使用する杏仁豆腐を正宗杏仁(せいそうあんにん)と呼んでいます。桃源郷では古典式杏仁豆腐と称していますが。
 さて生家の庭には杏と巴旦杏(はたんきょう)がありました。杏子は玄関の前の今でいうシンボル・ツリー的な存在で、よく登って杏の実を食べました。スモモのようで甘酸っぱくて美味しい。巴旦杏は石炭小屋(そんなものがあった時代です)の横にあって、赤い杏に比べると、新緑の緑のような色合いで、味は淡い甘味。その変わった名前もあってよく覚えています。その巴旦杏がアーモンドの別名という事を今回初めて知りました。
 確かにアーモンドってナッツのように思っていましたが、スモモのような実の仁を炒ったものなんですね。杏仁豆腐を調べているうちに、40年前に飼っていた猫を抱いて杏の前で立っている12歳くらいの自分の写真の事を思い出しました。