ダムネーション

映画や落語、競馬の好きな同僚からDamnationという映画を紹介され、自主上映のお手伝いもしているようで、前売りを1枚買いました。Damnationって、「破滅」または「こんちくちょう」という意味ですが、「ダム・ネーション」(ダムの多い国)とかけているのでしょう。
 ダムって環境破壊なのでしょうが、アメリカのような広大な土地で水を得ようとするとでっかいダムを作る事も必要な部分もあったと思います。グランド・キャニオンに行った時に、そのツアーの一環としてアメリカ最大のフーバー・ダムも見ました。ダムだけではなく、アメリカ西部の乾燥地帯の水については、ポランスキーの『チャイナタウン』論を書いた時に、登場人物のモデルとなったマルホランドについてほんの少しだけ調べました。
デヴィッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』(2001)のタイトルにあるロスの有名な通りの名前は、ロスの「水の帝王」と呼ばれた人物に由来しています。アイルランドのダブリンに生まれたウィリアム・マルホランドアメリカに渡って独学で地質学と工学を学び、1886年ロサンゼルスの水力会社の技術部長となる。シェラ・ネヴァダから水を引く計画のためにオーエンズ・ヴァレーを調査して、連邦政府の許可をもらうためにローズベルト大統領に会います。370㌔の工事に5、000人の労働者と6年間を費やして、1913年に完成したのがロサンゼルス水道です。
映画ではロスを水のあるところに持って行くと言うような政界の黒幕(ジョン・ヒューストン)の発言もあるように温暖な気候だけれど、水が足りない地方です。