アメリカの書店

先日の研究会で1964年に39歳で亡くなった南部女性作家フラナリ―・オコナーの初期短編を扱うと言うので、本棚からThe Complete Storiesというペーパーを取り出して準備をしました。この全短編集は30本の短編を収録したNoonday Press出版で、裏表紙のバーコードにBorders Price $15とあり、中にBorders Priceの栞が入っていました。
懐かしいフィラデルフィアのボーダーズ書店はWalnut Stにあって、書店内に喫茶店があるのに驚きました。現在では日本でもごく普通にありますよね。当時は特に書店チェーンという事は知らず、アメリカの大型書店だと思っていました。アメリカでは2005年にはバーンズ・アンド・ノーブルに次いで2番目に大きい書店チェーンだったようですが、2011年に経営破綻してしまいました。件の栞には、平日午前8時から午後10時、土曜日は午前9時から午後10時、日曜日は午前10時から午後7時の開店時間で、使い勝手がいいような気がします。1727Walnut Stという住所も市の中心部のRittenouse Squareという高級住宅街の公園のすぐそばで今もそこにあるようです。
 バーンズ・アンド・ノーブルは大規模で高級感のある店で有名な書店チェーンで、喫茶コーナーにはスターバックスが入っています。フィラデルフィアにもそしてニューヨークにも数店あり、僕のいた2000年前後はこのような大型書店チェーンが席巻しつつある時期で、個性的な書店が大型チェーン店に飲み込まれていく時でした。ニューヨークではダウンタウンに「ストランド」という個性的な書店がありました。入り口でデイパックは預けて、店内で映画関係の本探を探しました。
5番街と6番街の間、57丁目にある書店「リゾーリ 」(Rizzoli)は、6番街と7番街の間、51丁目のアパートに住んでいたので、よく行きました。『恋に落ちて』(1984)ではデニーロとストリープが出会う場面で使われていましたが、この映画については別項で。