卒業式と春分の日

春分の日を卒業式とうちの大学では決めています。学部の1学年の定員に近い1750名ほどが学び舎を巣立って行きました。5学部1・2部18学科と5研究科の学生・院生たちです。学部生は学科の成績No.2が代表して卒業証書(学位記)を受け取り、No.1が成績優秀者として表彰状を受け取ります。
この学位記の文章は、前段で所属学部長あるいは研究科長が所定の単位を修得したことを認め、後段で学長が学位を授与する事が書かれています。知らないうちに「卒業式」が「学位記授与式」になったように思いますが、実は1991年(平成3年)に改正された学校教育法と学位規則により、大学を卒業した人に与えられる資格が「学士の称号」から「学士の学位」に、「卒業証書」が「学位記」となったからです。で、大学でも文書では「「学位記授与式」としますが、口頭では卒業式って言っていますね。
長い卒業式なので資料で学科の成績No.2の名前を見ていると、18名中13名が女子、5名が男子でした。No.1はそれほど圧倒的に女子が優位ではありませんが、でも女子の方が多い。女性の方が遺伝的に優秀と言う事はないでしょうが、勤勉に学習する習慣が身に付いているのだと思います。
自分の高校・大学の卒業式について少しだけ。高校の時は1970年大学紛争の真っ盛りで、高校にも飛び火してデモに参加する高校生もいました。高校でも校長と団交もしたり。北大のロックアウトを見学に行って、ピリピリしている大学生にスパイと疑われて校舎に連れ込まれそうになった事もありました。入学した後も、文学部が封鎖されて、教養部に出講している先生の授業が休講だったような。そんな事もあり、高校の卒業式、大学の入学式と卒業式はすべて欠席しました。
 最後に。卒業式の挙行される「春分の日」は日付の固定されていないmovable feastなんです。ただ何月の第何週の月曜日とかではなくて、3月20日から3月21日のいずれかとなっています。祝日法で規定されていますが、実際の各年の「春分の日」は、国立天文台が作成する『暦象年表』に基づいて閣議で決定されて官報で公告される。よくみると2年おきに20日と21日になっています。何故こんなどうでもいい事を知っているかというと、学位記と同様に教務の責任者の時に、大学の学年暦の原案を作成していて教えられました。