ワークショップという方法

さて例によってワークショップについて、どのように行われているか考えてみました。単なる好奇心ではなく、この学びの方法をゼミなどに援用できないかという教育的実務的な目的もあります。
workshop は、語義的には「作業場」ですが、参加型の講座、討論をしたり技術を身に付けるセミナーの意味を持つようになっています。キルトなどの物を作る技術の理論と実技を学んだり、音楽や演劇ワークショップのように演奏や演技の体験と学習とを交互に行うなど。キーワードは参加と体験、学ぶ対象は体を使う作業を伴うヨガや陶芸などですよね。
われわれのワークショップは支部学会だけでなく、全国大会においてもワークショップが開かれています。北海道支部は研究談話会と言う名称で、研究発表とそれには至らない段階の報告や情報の提供的な談話会の両方をふくむ研究会を隔月に開催しています。そこに北星に赴任したU先生が主導して「若手研究者のためのワークショップ」を創設しました。これは前項で述べたように大学組織を横断した支部学会の活動活性化の方法でした。
それは支部の事務局・幹事が中心となって、テーマを選び中堅・ベテランの会員にコーディネーターをお願いするか、先にコーディネーターを決めてその人にテーマを決めてもらうという方式です。当初は本当に各大学からの院生が参加してくれましたが、次第に北大の院生を北大の先生に推薦してもらうようなになってきました。それが今回は北大の院生の研究グループが自分たちからワークショップ開催を申し出てきたという、新しい試みです。
全国大会のワークショップは、シンポジウムが2つなので、シンポにする手前の研究や萌芽的な研究について複数の研究者が報告や成果を問うという趣旨で開催される様になりました。例えば英文学会の方は全国大会でシンポジウムが8つくらいあります。ただ大会2日目、午前中の特別講演と午後のシンポジウムに開催されるので、スケジュール的にはタイトになってしまいました。
さらに支部のワークショップは案内にテキストを用意して、参加者は読んでくる事を要請しています。普通の研究会にはそのような案内はありませんので、若手研究者の発表について教育的なコメントをするためには必要と考えての事でもあります。そして同時に単に聞くだけのレクチャー型ではなく、参加する事が前提となっているワークショップとしての趣旨にもあっている訳です。