若手研究者によるワークショップ

2003年第98回研究談話会を「ペットの死を巡る日米詩を精読・比較する」と題して始まった「若手研究者のためのワークショップ」が、10回目の2012年で途切れてしまったが、今度は第11回「若手研究者によるワークショップ」(第174回研究談話会)として再開した。「若手研究者のためのワークショップ」の方は、主として院生の所属大学を越えた支部全体での指導と言うか教育というか研究についてのトレーニングの場として計画されたものです。
 確かにその頃は、北大を中心に、教育大・北星・札大の院生が参加していました。今でもそうですが、修士までは自大学で育成して、博士課程はその地方の基幹と言うか中心となる大学(北海道の場合は北大)で学べばいいと思います。ただ学長とか理事長って、学部の上に大学院、修士の上に博士があるといいと思うのですね。高等教育機関としての完成度と言うか、ステータスが上がると思うらしい。
 でも不況や少子化の影響で、大学院の出口が見えないと学生が来ない。それにゆっくり学ぼうと言う余裕がなくなっています。でもその前に最初から修士課程だけでいいと判断した賢明な大学は、博士課程に応募がないと嘆く必要もない。国立から私大に来たある先生は、文科省の方針で大学院枠を拡大した結果、大学院の合格発表での受験生の番号をみると受験生全員合格なのが歴然として恥ずかしいと言っていました。
 そんな訳で、いま支部の若手研究者はほぼ北大の院生。でも今回は院生のグループが自主的な勉強会の成果を見せてくれました。視点は冒険的で少しこじ付けかもしれませんが、僕の修士1年の時よりも研究の手付きと言うか基本能力はあってとても頼もしかったです。3名の発表のリーダー的存在のO君は修士2年で、道北の高校に赴任する予定。高校に慣れたら、また研究を続けてほしいと思います。