パット・メセニーとアニメ

パット・メセニーの”Last Train Home”が人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のTVアニメ版『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』のエジプト編のエンディングテーマに起用されたらしい。ま、有名な曲がテレビや映画に使われることはよくありますが、なんと80年代によく聞いたパットの曲なので少し興味を持ちました。
 この”Last Train Home”は1987年のアルバムStill Life(Talking)に入っている曲でよく覚えています。漫画の原作者は「風景を想像させるようなメロディとギターは、 旅をしている主人公承をイメージさせます」とコメントしているようです。確かにパットの曲は、都市よりは自然の風景をイメージさせる牧歌的な曲が多い。しかも「家へ向かう最後の列車」というのは、まさに旅にいて故郷を想起する郷愁あふれる曲なんです。
 1954年生まれのパットは、18歳でボストンのバークリーというジャズで有名な学校で講師をした天才ギタリストです。ボストンでタクシーの運転手にパット・メセニーの事を話題にすると、町の誇りに思うような返事が返ってきました。ヴィブラフォンゲーリー・バートンのバンドを経て、1975年に初リーダー・アルバムBright Size LifeをECMから発表します。ECMは当時の知的で清新な、音楽的な実験に満ちたミュージシャンを次々に送り出していました。
1977年にバートンのグループを離れセカンド・アルバムWartercolorsを発表。このアルバムでパット・メセニー・グループの要ともなるキーボード奏者のライル・メイズと共演。1978年にPat Metheny Groupを発表。以後American Garage(1979年)、Off Ramp (1981年)、First Circle (1984年)、Still Life (1987年)、Letter from Home (1989年)。
グラミー賞ジャズ部門を受賞したOff Ramp の”Are You Going with Me?”が気に入って聞いていました。グループの特徴は、フォーク的な曲を、ラテンのリズムも取り入れて、シンセサイザー(ピアノ、ギター)によるオーケストラ的な音の広がり、ヴォーカルの使用などです。この「連いてくるかい?」という小林旭の曲のような題名の曲でも、ボッサ・ロックのリズムに乗って、ライル・メイズのシンセがゆったりとした前景を作り、そこにギター・シンセによるパットのメロディーが入ってきます。
1989年にカナダに3カ月ほどいた時も、Letter from Homeを聞いてインスタントな郷愁にふけっていました。
写真はジャケットも素敵なOff Ramp 。