アイリッシュ・ウィスキーが好き

アイリッシュ・ウィスキーだけに見られるのが、100%大麦を使いながら、大麦を発酵させたモルトとそうでないものを両方使って蒸留する方式だそうです。これがピリッとした味を生み出し、アイリッシュ・ウィスキーを独特のものにしているんでしょうね。何か土臭い香りがするような気がします。
またアイリッシュ・ウィスキーは蒸留回数が多いのと、ピートを使わないので、滑らかさと穀物の香りが引き出される。ほとんどのアイリッシュ・ウィスキーは、スコッチのようにピート使用によるスモーキー・フレーバー(土煙の臭い)がないと言われるが、僕の感じる土臭さがアイリッシュの特徴にも思えるのですが。その例外としてピートで焚かれた麦芽が使われているため、スモーキーフレーバーが含まれているカネマラがります。実は僕はこのカネマラが好きなので、本当のアイリッシュ・ウィスキー好きではないのかも。
ウィスキーという言葉の由来は、「命の水」を意味するアイルランド語のuisce beatha(イシュケ・バーハ)に由来する事はよく知られています。そう言えば駅前に「ウスケバーハ」というお店がありました。12世紀ヘンリー2世によるアイルランド遠征の時、地元のアイルランド人が愛飲していた蒸留酒イングランド兵によってushkyと誤って伝えられ、その言葉が英語のwhiskeyに転訛したといます。つまりウィスキーの本家はアイルランドにある。でもスコットランドも同じケルト系なので、文化は周縁から発生する好例でしょうか。
写真は家のアイリッシュ・ウィスキーたち。カネマラ、ジェームソン・セレクト、ワイルド・ギース、オライリーマギリガンです。オライリーとマギリガンはいかにもアイリッシュらしい名前です。ワイルド・ギース(Wild Geese, 野生の鴨)は映画ファンならリチャード・バートンリチャード・ハリスなどが主演した傭兵の物語『ワイルド・ギース』を思い出すかも知れません。ワイルド・ギースは16世紀から18世紀にかけて、イングランドとの戦いに敗れてヨーロッパに逃れて活動したアイルランド人傭兵の事を指します。件の映画はこの名を取った、1960年代にコンゴ動乱などアフリカで活動した傭兵部隊の事でした。