ほっとする

 木曜日に頼まれていた論文の査読報告書を書き上げ提出しました。原案は少し前にできていたのだけれど、評価について迷っていました。でも甘めに評価を出して、その下方修正の可能性も編集員会に説明して最終判断を委ねる。いずれにしても複数の査読を編集委員会がまとめる形になります。とりわけ優れた論文でなくても、できるだけ新しいテーマの論文を学会が周知する。だとしてもどの程度まで許容できるかの判断が難しい。
 で金曜日のゼミを土曜日の学会参加に振り替えてのんびりしていたら、土曜日の学会の掲示物について連絡が入り大学へ。土曜日は少しだけテニスをして早めに上がりシャワーを浴びて出かける支度をしたのだが汗が引かない。会場へは早めについて、事務局のKさんと掲示物を貼る。そのうち東京から特別講演のT先生、シンポジウムの講師のS先生が到着。飛行機やホテルがけっこう混んでいるという。後から名寄のKさんがホテルが取れなかったので、懇親会は参加しないで帰ると言う。初夏から夏にかけて北海道は観光客が多いのだろうか。修学旅行のシーズンだという説もあり。
 特別講演はケンブリッジ版カナダ文学史の翻訳を進めているT先生の通史的な説明を豊富なエピソードを交えて話してくれた。仏〜英〜米の影響を受けてきたカナダの社会と文学について理解できました。アイデンティティーというものがあるとしたら、それは他者のとの関わりでしか成立・構築できないとして、これほどアメリカを意識しないとならないとは。
 2部のシンポジウムでは、カナダの演劇、サバイバルを唱えるアトウッドの主張、カナダ詩人のカナダ性、レナード・コーエンの場の意識、白人と先住民の混血女性の複数のペルソナを戦略的に駆使する文化的・政治的な生き方について、勉強になりました。
 懇親会は京王プラザ・ホテルのレストランの一室で、少人数ながら和やかに歓談しました。これで支部学会の重要イベントが終了しとりあえずほっとしました。少し休んで、10月の全国大会の準備を進める事に。