『リンカーン弁護士』ふたたび

このブログではジャズやロック、そしてソウルについては時々書いていますが、ヒップホップについてはあまり触れていないような気がします。昨日スター・チャンネルで『リンカーン弁護士』を眺めていました。ハリー・ボッシュ・シリーズのマイケル・コナリーによるミッキー・ハラ―・シリーズの第1作の映画化です。ハリーの異母兄弟であるミッキーをマシュー・マコノヒーがうまく演じています。どうもこのシリーズは弁護にあたる被告が本当に悪い奴が多くて、この作品でも冤罪に見えたお金持ちの坊ちゃんルイス・ルーレが本当は女性虐待と殺人の犯人である事が分かります。次作の『真鍮の評決 リンカーン弁護士』も未訳のThe Fifth Witness'もそう。そのルイスを『クラッシュ』(2004年なので少し古いかな?)で真面目な警官を演じたライアン・フィリップスが憎々しげに(つまりうまく)なりきっていました。ライアン・フィリップスはこのブログでも紹介した『ストップ・ロス/戦火の逃亡者』(2008)で、兵役期間を強制的に延長できる制度Stop-Lossを適用され、再びイラクに向かわされる青年を演じていました。この『ストップ・ロス』では『ダークナイトライジング』(2012)のジョゼフ・ゴードン=レヴィットや、『ホワイトハウス・ダウン』(2013)のチャニング・テイタムが戦友・友人役で出ていて、その後すぐに有名になる若手俳優が集まった作品になった訳です。
 ルイス・ルーレの母親役も明らかに見たことがあると思っていたら、フランシス・フィッシャーで、『許されざる者』に出ていました。監督のイーストウッドとの間に子供もいますが、結婚はしていなかった。『タイタニック』ではケイト・ウィンスレット演じるヒロインの冷血な母親を演じたようだが、あまり覚えていません。またこの母親にくっついている弁護士がボブ・ガントンで、『ショーシャンクの空に』(1994)での憎らしい刑務所所長役で印象に残っています。その他弁護士ミックのために情報収集をする探偵役にウィリアム・メイシー。個性的な風貌でいろんな映画に出ていますが、最近はテレビの『シェイムレス 俺たちに恥はない』で主演。ミックの元妻で検事のメリッサ・トメイは、『いとこのビニー』(1992)でアカデミー助演女優賞を受賞したが、その後少し低迷気味か。刑事を演じるマイケル・パレウォルター・ヒル監督の『ストリート・オブ・ファイア』(1984)で注目されるがかなり低迷気味だろうか。とにかく、かなり顔の知れた俳優が出てけっこう楽しめる映画でしたが、ハリー・ボッシュの映画化が待たれます。最新作の翻訳も待たれますが、なかなか出ないので、ぜんぶ原書(4作)で読んでしまいました。
 写真は左からボブ・ガントン、ライアン・フィリップス、マシュー・マコノヒー、デヴィッド・メイシーです。