め組の今

12月に「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が公布されたのを受けて、文科省から大学に関連するお達しが来ました。いわく「消防団活動のため修学上の配慮」という題目で、学生の消防団活動参加者に対して、補講・追試などの配慮をするようにと。僕はこれを読んで、15回授業の実施をうるさく言う一方で、授業を休んでいいよと言うダブル・スタンダードにむっとしました。
 地域の防災に協力するのは学生もそれ以外の市民も同様ですが、本務である授業を後回しにして防災訓練に参加すべきなのか疑問です。ネット上の情報を見ると、消防団活動の学生サポーターとして学業と両立させながら出来る範囲で活動していますとか、授業の後に週2回くらい訓練に通っていると言う書き込みがあり、それなら妥当な参加の仕方だと思いますね。普通の火災などは消防士が対応するでしょうし。もちろん大学の授業も吹っ飛ぶような緊急時には、それまでの訓練を生かすような応急手当やけが人の搬送などに活躍してほしい。
 正規の消防組織がない江戸時代には、町火消が活躍して、いろは組の一つのめ組が粋で鯔背な有名です。やっぱり高いところで作業をするとび職の人たちが中心となって、防災や消火活動にあたっていたんですね。「火事と喧嘩は江戸の花」というように木造建築が立て込んでいた江戸では大火事が多くて火消しが活躍しつつ、一方で火事場やその他の場所でも縄張り争いによる喧嘩がしばしばあったようです。中でも「め組の喧嘩」(文化2年、1805年)は相撲の力士たちとの乱闘事件で講談や芝居の題材にされました。北海道では、高校生や大学生が高齢者のお宅の除雪を手伝う方が現実的な気もします。