『SUITS/スーツ』

年末年始、結構時間があるので日ごろ関心のないアメリカのテレビ・ドラマを見てしまいました。すると、やはりと言うか、意外にというか面白いです。今回は『SUITS/スーツ』を12時くらいから朝の4時まで見ました。
「SUITS/スーツ」は、ニューヨーク・マンハッタンの大手法律事務所を舞台に、敏腕弁護士と天才的な頭脳を持つ青年が、様々な訴訟に果敢に挑んでいくリーガル・ドラマです。2011年にUSAネットワークで放送されると、初回視聴者数460万人を記録したようです。またリーガル・ドラマでありながら、法廷シーンはほとんど登場しないという、という事は法廷の前後の日常の中に犯罪(陰惨なものはない)と法律と人間が織りなす世界が描かれている訳です。
主人公の弁護士ハーヴィーは有能だけど人間関係が下手で敵も多い。演じるのは、ガブリエル・マクトで41歳だけどドラマでは若手弁護士的な扱われ方のような気がします。確かに30前後にも見えます。彼が、取っ換え引っ換え着るスーツがとてもかっこいい。
タイトルの『SUITS/スーツ』は「訴訟」とやり手弁護士の着るファッショナブルな「スーツ」のダブル・ミーニングのようです。もうひとりの主人公マイク(パトリック・J・アダムス)は、弁護士の夢を断たれた青年で、ハーヴィーのサポートを得て成長していくのですが、彼の着る服(スーツ、ワイシャツ、ネクタイ)は、ハーヴィーのそれよりも2ランクくらい下で、それも彼のポジションを象徴している。
熱狂的ファンを獲得している本国では、シーズン2まで放送され、シーズン3の製作も決定している。僕はシーズン2の途中から見てネットで、前後の関係を調べてみました。すると法律事務所の二人の経営者の対立も大きな要素で、内なる敵の存在が組織を脅かすと言う普遍的なテーマになっています。
 だいたいアメリカで人気のあるテレビ・ドラマって、うまくできているんですね。例えば『SUITS/スーツ』でも、常に2本くらいの事件・訴訟が同時に走っていて、単調にならず、かと言って複雑にもならない具合に話を作っています。これが人間の奥深い何かを表現しているかというのではないけれど、とりあえず面白い。完全に悪い登場人物もいるけれど、憎めない程度の出世主義の同僚など、これがどう主人公に同調したり、または邪魔したりするのか予想がつかない部分もあって。さて写真のどちらがハーヴィーか。