「文脈」がない、その2

 今日の朝刊には麻生副総理の事件はもう出ていない。何か上の方からメディアに圧力がかかったかのような凪的な状態。
 前項を書いた後、麻生氏のシンポジウムの発言の全部を読む事が出できると分かり、読んでみました。すると見事に脈絡がない。要旨の方はその思いつきのような発言のポイントをそれなりに整理したものだとあらためて分かりました。
 またワイマール憲法下のナチスの台頭についても肯定的に言っているのではない事も。しかし「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。」はいかにもまずい。前の方でワイーマール憲法のようなすぐれた憲法のもとでもヒトラーが選挙で選ばれたと言っているので、憲法そのものは変えないで運用が変わった事を理解しているようにもとれる。とすると現行憲法を変えないで運用を変えようと言おうとしているかというとそうでもない。やはり騒がないで現行憲法を変えようと麻生氏は言いたいようだ。
 前後を読むと、憲法改正のみでなく、靖国参拝についてもマスコミが騒ぐので国民や外国も注目すると繰り返し言っています。このあたりやはりメディアと相性が悪い大阪市長と似ている点もある。
 麻生氏はマスコミに騒がれず、野党との議論も最小限にして、自民党が時間をかけて喧々諤々とかつ冷静に議論してきた憲法改正を進めようと言おうとしている。それがあの舌足らずな表現と、一知半解の知識で言おうとするので、彼の嫌うマスコミに叩かれる。本人はヒトラー=ナチスの台頭を肯定している訳ではない。しかしその状況を利用してはどうかと発言しているので、これは副総理としては問題とされても仕方がない。