You Must Believe in Spring

ジャック・ドゥミ監督の『ロシュフォールの恋人たち』の挿入曲です。作曲はいつものミシェル・ルグラン。英詩は原曲の歌詞(仏語)とは違いますが。
 Just think if Winter comes,/ Can Spring be far behind?…Beneath the deepest snows,/ The secret of a rose
 Is merely that it knows / You must believe in Spring
タイトルは「春(が来る事)を信じなさい」。歌詞はロマン派詩人シェリーの『西風に寄せる歌』( Ode to the west wind)の最後「冬来たりなば、春遠からじ」をそのまま使っていますが、このシェリーの詩句が英語では慣用表現の様になっているんですね。僕の気持ちは雪が多かった今年の冬が早く終わってほしいことで。
 先ほど散歩兼買い物で聞いていたのはマレーナ・ショウのMarlena(1972年、ブルー・ノートでの1枚目)版。マレーナはジャズ寄りのソウル歌手。同じブルー・ノートでの4枚目"Who Is This Bitch, Anyway?" (すごいタイトルですが)での" Street Walking Woman"や "Loving You Was Like a Party" が有名ですが。このMarlenaではマーヴィン・ゲイの"Save the Children"がとてもいい。オリジナルよりも深くていいです。
 このYou Must Believe in Springはいろんなミュージシャンがカバーしていますが、ジャズではビル・エバンスのワーナー移籍1作目You Must Believe in Spring(1977)が有名です。タイトル曲ですが、妻(元妻?)と兄を相次いで自殺で亡くした直後のせいか、エバンスのいつものリリカルなタッチがさらに沈んで哀切にも聞こえて。
 http://www.youtube.com/watch?v=FTlKzkdtW9I