『ミッドナイト・イン・パリ』ちょい見

 かみさんに付き合って?『ミッドナイト・イン・パリ』を眺めました。見ると言わないで、眺めると言っている時は全部見てはいない時です。月末締切の論文?の8割くらいまで行ったのですが、後は2割は難しい。でも今回は何とか提出するつもり。
 で?ウッディ・アレン43作目の『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)面白いです。アレン映画では1,2の興行収入だったような。最初の監督作品"What's Up, Tiger Lily?"(『どうしたの、タイガーリリー?』)が1966年ですから、47年で43本、何とほぼ毎年映画を撮っている事になる。
 "What's Up, Tiger Lily?"は東宝映画2本を台詞を全て差し替え、撮り下ろしの場面を加えたギャグ映画として編集した珍品で、当時流行っていたスパイ映画のパロディとはいえ、ウディ・アレンの実質的な最初の監督作品。本人は嫌がっているようだけれど。
 さて『ミッドナイト・イン・パリ』、けっこう面白いです。アメリカの作家がフィアンセとその両親とパリにやって来て、深夜のタクシーで1920年代のパリにタイム・スリップする。そこでは、ガートルード・スタイン(キャシー・ベーツ)を案内役に、ヘミングウェイフィッツジェラルド夫妻、ダリ(エイドリアン・ブロディが似合っている)、エリオット、ジョイス、そしてピカソに遭遇する。必ずしもそっくりさんではないけれど、インテリのウッディはインテリ(もどき?)の映画好きを楽しませてくれます。
 フィアンセとその金持ちの両親や、フィアンセの友人の恋人である小説家の俗物性も描かれていて、アメリカ人からあまり好まれないアレンの批評性も出ています。ま、一般論で言っても、アメリカン人観光客って欧州ではあまり好意的に受け入れられていないでしょうけれど。この小説家、美術館で案内人を前にインテリぶった似非知識を披露して主人公の顰蹙を買うのだが、この案内人がモデルっぽいなと思っていたら、やっぱりモデル出身のサルコジ夫人だった!?
 因みに僕のアレン映画ベスト3は、『アニー・ホール』(1977年、7作目)、『ハンナとその姉妹』(1986年、15作目)と『ブロードウエイと銃弾』(1995年、26作目)です。お、ちゃんと70・80・90年代からバランスよくセレクトしていますね。で、ブロディのダリです。