子役の成長とブラット・パック

 『ヤング・ジェネレーション』と『太陽の帝国』(1987)を見ていて、子役の成長について考えた。1979年の『ヤング・ジェネレーション』は大学にも行かず3人の仲間と無為に過ごしていた若者が趣味の自転車が高じてロードレースだけは真剣にのめり込んでいく、ピーター・イェーツ監督の青春映画でした。
 主演のデニス・クリストファーはその後『カリフォルニア・ドリーミング』(1979) 、『フェイド TO ブラック』(1980) で主演し、『炎のランナー』(1981) に出た後メジャーな映画には出ていない(と思う)。デニス・クエイドはま、スターで有名。ダニエル・スターンは『ホーム・アローン』(1990)で、ショーン・ペシと間抜けな泥棒を演じていました。
 さて、気になっていたのは4人目の少年のジャッキー・アール・ヘイリー。15歳で『がんばれ!ベアーズ』(1976)で印象的な不良少年を演じた後、『ヤング・ジェネレーション』でもその小柄な事をからかわれる少年を演じていたが、その後伸び悩み、運転手、警備員など様々な職をしたいたらしい。『オール・ザ・キングスメン』(2006)ショーン・ペン演じる主人公ウィリー・スタークのボディガード役で俳優に復帰した。更に『エルム街の悪夢』リメイクで二代目フレディ・クルーガーを襲名する。
 もう一人は『太陽の帝国』のクリスチャン・ベールJ・G・バラード原作、スティーヴン・スピルバーグ監督で有名なこの映画は見ていなかったので、クリスチャン・ベールが主人公の少年を演じているのをはじめてみました。『バットマン/ビギンズ』(2005)など30代の映画は何本も見ていて、いきなり13歳のクリスチャン・ベールを見てびっくりしました。前後して『若草物語』(1994)で21歳の少年後期というか青年前期のクリスチャン・ベールとも対面。
 比較的順調に子役から大人の俳優になりスターにもなったクリスチャン・ベールと、かなり波乱に満ちた俳優人生を送ってきたジャッキー・アール・ヘイリーの二人のキャリアをスケッチしてみましたが、30代後半のクリスチャン・ベールよりも、51歳のジャッキー・アール・ヘイリーの方に関心がある。その晩年のチェット・ベーカーにも似た凄味のある(荒んだ時間を顔に刻み付けた)風貌と、ここに書ききれず事項に回す「ブラット・パック」とほぼ同じ世代という事もあって。