ウッドストックがやってくる!

 今朝は3時ころ目が覚めて眠れない。かみさんはお姉さんたちと函館に母方のおばさんのお見舞いに行っています。
 メル・ギブソンの刑事もの(被曝して殺された娘の敵を討つ話)を見た後、『ウッドストックがやってくる!』を観ました。ちゃんと最初から最後まで。以前放送した時に少し見てつまらなそうだったので、やめました。今朝は時間があったので見たらけっこう面白かったです。
 実は演奏場面が一つもない。ウッドストックが最初開催予定地がキャンセルになった事を知った、ニューヨーク郊外(というかもう少し田舎)で実家がモーテルを経営している青年(ニューヨークでいちおう芸術家)が、地元の商工会議所の会長をやっていて地域振興のために開催の名乗りを上げます。これが一大イベントというか大騒動に。
 主人公の青年営エリオットを演じるディメトリ・マーティンがほんわかしてよかったです。スタンダップ・コメディアン(一人でしゃべるタイプのコメディアン)で、絵にかいたようなユダヤ人の顔(ディランみたいな鼻)ですが、超個性的な母親にも切れないで面倒見ます。この母親がホロコーストの記憶が忘れられない金亡者の変人。
 前述のようにエリオットは主催者ではなく開催地を申し出た地元の若者。会場を貸した有名なヤツガー農場のマックス・ヤツガーも本人そっくりさんみたいな俳優が演じます。最初はあっさりと会場を提供しますが、次第に貸し賃を釣り上げていく交渉上手のユダヤ人です。
 主催者側のヒッピー青年マイケルはエリオットと幼馴染のナイーブな好青年。アメリカのテレビ・・ドラマ『グリー』(高校の合唱部が舞台)で有名になった(らしい)ジョナサン・グロフが演じます。もう一人印象的なのは元軍人で警備を買って出る女装のゲイのリーヴ・シュレイバー。この俳優も顔を見ればいくつか有名な映画に出いるので覚えているでしょう。アンジェリーナ・ジョリーと共演した『ソルト』、デンゼル・ワシントンと共演した『クライシス・オブ・アメリカ』(『影の狙撃者』のリメイク)。
 最後にエリオット青年は自分がゲイであるのに気づき、変わり者の母親を愛している父親とも心を通じさせて、自由を求めて旅立って行きます。ゲイのユダヤ青年のビルドゥングス・ロマン(若者の成長を描く教養小説)がウッドストックという世代の象徴とも言える大コンサートを舞台に気持ちよく描かれていて、エリオット・タイバーの原作が読みたくなりました。
で、アマゾンで注文しました。言い忘れましたkれど、監督はアン・リー、そうあの『ブロークバック・マウンテン』の監督。という事はリーさんもゲイ、と思ったけれどそうではなさそう。『ブロークバック・マウンテン』の色彩と映像は素晴らしかった。主役の二人のうち、一人は亡くなり、無名だったミシェル・ウィリアムズも『マリリン七日間の恋』で有名になりましたね。