雇用の形態

 土曜日は大学祭の初日だったが、昨年から開始した履修証明プログラムの一部としての公開講座(土曜日に5週連続)の初日でもあったので、昨年と同様簡単なあいさつをする。履修証明プログラムの方は5年前の学校教育法の改正に伴い、大学が研究・教育の成果を広く社会に還元するというコンセプトを本学では2部(夜間)の英語以外の外国語5種で週2回前後期開講する事で実現した。それに付随してその外国語の文化的背景を学ぶのが今回の公開講座です。この公開講座と言うのは大学が開催する他の公開講座と同じ名称なので少しややこしいのですが。 
 さて標題は、「大学史」を来年も担当してもらえる事になった前学長との話の中で出てきました。このA先生はいろんな場所で講演をされているのですが、その一つに市のまたは道の商工会議のお偉方に話すのに、今までの終身雇用の形態は無くなりつつあるので、企業の方も新卒だけでなくキャリアを積んだベテランにも雇用の道を開き、また企業としての将来像を雇用の形態も含めて再考すべきではないかと言うご意見です。
 僕もほぼ賛成で、大学教育の何割かを削り取っている現在の競争的・狂騒的就職活動に大きな不満を持っています。しかも契約社員も含めて就職する新卒の7割弱の内、3割程度が数年のうちやめて行くようなので、終身雇用的な枠組みの中で残るのは7割のうちの7割、つまり半分弱と言う事になる。残りの半数以上は進学・フリータ―(好きな言葉ではないが)、そして就職して辞めた人たちという事になる。
 とすると、新卒の半分の人たちのこのようなありうべき将来を最初から考えに入れて大学は、またはキャリア支援センターは考えなくてはならなくなる。
 そんなお話を1時間ほど伺って、研究室に戻ると、今度は中国から日本語研修の学生の受け入れをどうするかの相談が舞い込む。法人が協定校として認めない外国の大学からの1年間の留学を受け入れる制度がうちにはないので、そのビザなどの事務的な事項の確認と他の委員会との折衝の後に、規程の改正が必要となってくる。
 ちょうど大学祭で焼き鳥などのいい匂い中で、そんな教務的な週末でした。