Unaccustomed Earth

 支部大会2日目のアメリカ文学部門の研究発表でジュンパ・ラヒリの『見知らぬ場所』について教えられました。
 わがアメリカ文学会の支部の会員、役員でもあるS大のWさんの発表ですが、「新アメリカ人」という、アメリカ生まれのインド系の人たちの移動について分析していました。登場人物のインド系アメリカ人の海外への移住や出張も含めて、アメリカが従来の最終目的地や定住地ではなく、一種の通過点としてとらえられ、新たなディアスポラ、そしてのアメリカの相対化としてみる事ができそう。
 それってこのブログの最初の頃(2008年の11月)に書いた、サン・ビクトワールのフーゴーの一節の引用に関係しています。始めて4年になるので、繰り返す事も多いのです。年のせいで物忘れして繰り返すこともありますが、大事な事なのであえて繰り返し書く事もあります。これは後者の例ですけれど、「全世界を異郷とみなす」事にこの『見知らぬ場所』は繋がるのかなと、愚考しました。