学生のコミュニケーション能力

 就職部(4月からはキャリア・センター)からゼミの学生に面接などに有効なコミュニケーションのスキルを意識して指導してほしいと言う要請があった。
 僕は学生をきちんと指導すれば、他人と意思の疎通が十分にできるようになると考えています。つまり就活に即効的に有効な能力を教えるつもりはあまりない。つまりコミュニケーションの能力や、自分の考えを持って、それを人に伝える事などは、それ自体が教育というもののかなり基本的なアイテムなのではないかとも考えています。
 教師として学生にできる事は、自分で考える事の重要さを伝える、それに尽きるかも知れない。自主的にそれなりに(それなりにしか過ぎない、厳密に言えば)自分の考えを持って、それを他人に向かって表明する。その他者への自分の意見の開陳?自体が自分の考えの不完全さを認識し、不完全な自分の考えをポリッシュ・アップする事になる。また他者も自分の他者に向かって同様の作業をするんですね。
 その時点でのそれなりの自分の考えを構築する。それを外部に伝え、その不完全さを補強する。他者も同様の事をしていると言う事をきちんと理解する。それぞれ異なる考え方をする多様な人が自分の生きている社会に存在する事を理解し、認めて、享受する。そんな事がゼミでも必要だし、それが達成できれば、結果的に就活にも役立つ。だから就活のためにというのはちょっとね、というのが僕の意見です。