ミネルヴァ補遺

 フクロウのイメージを調べてみると、学芸や知恵の象徴としてのイメージは、古代ギリシャ都市国家アテナイで祀られた農業の神として女神アテネの従者としてのフクロウから始まる。その後女神アテネは学芸の神へと変わり、従者のフクロウも学芸・知恵の象徴へとそのイメージを変えていく。
 古代ローマでは、女神アテネの役割は女神ミネルバに受け継がれ(この二人の関係は実はややこしいので省略するけれど、相対するギリシャ・ローマの神々は多いのは周知)、知の象徴のフクロウはミネルバの使いとみなされるようになる。このイメージは、ヘーゲルが記した「ミネルバのフクロウは黄昏に飛びたつ」という言葉によってさらに有名になったようです。
 ミネルバ自体は大学などの教育機関や出版社などの名前にも使われます。2001年に半年いたコロンビア大学のキャンパスの本部前にあった(いた?)黒檀の像も「アルマ・マータ(母校)]と名付けられていますが、姿はミネルヴァだそうです。今回初めて知りました。