秋入学と学びの多様性

 東大が「秋入学」について5年後に実施する案を出して他の主要大学にも協議を呼びかけたそうだ。
 地方の一私立大学も2学期復学について今日の教務委員会で協議する。通年科目が減り、本格的なセメスター制とは言えないまでも、学期毎に単位を認定するようになってきているので、数年前から実施している9月卒業も含めて、2学期復学は問題ないと思える。事務サイドは学年管理を重要視するけれども、学びの多様性を確保するという考えに反対するものでないだろう。
 秋入学に変更しなくても、半期制度をより確立していけば、留学して戻ってくる時のロスタイムはなくなると思う。京大の学長も秋入学よりも入試改革で国際人を育てる人材を確保して育成する事の方が重要だとする。
 まず国際人については、東大・京大のような日本のトップの大学では必要かもしれないけれども、地方の私大では学生の確保、それと学生の質の確保が優先されるので、事情はかなり違ってくる。
 国際化という言葉が語られる時、その事が本当に必要な一流大学や企業以外も、その旗印に不必要に呼応してしまう。その方が聞こえがいいし、通りがいいからだろう。しかし一部の国際化は必要だけれど、そうでない場においては、同時にlocalizationが必要な部分もあると思う。ローカライゼーションというのは日本の地方の事ではなく、外国に対して日本と言う地方の美質や特質を守り、必要なら外に向けて紹介していく事だと考える。
 それでも国際化の波は押し寄せてくるので、ある程度それに対応しつつ、学生に多様な学びの場を提供し、それなりの知識と経験と、考える事の重要性を理解して卒業してくれれば十分かなと思いますね。